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いよいよ春闘本番へ突入(会長コラム『波動』)

いよいよ春闘本番へ突入

◆皆さん!ご無沙汰しておりました。新年度の運動をスタートし2018年(平成30年)、新しい年の幕開けから早いもので1ヶ月余りが経過しました。全国各地で30数年振りとも言われる大雪をもたらした大寒波の襲来やインフルエンザの猛威などが報じられていますが、くれぐれもお体にはご自愛下さい。

◆さて、2018春季生活闘争開始宣言集会が2月5日連合中央台で開催され(連合兵庫は2月2日執行委員会終了後に開催)、いよいよ春闘本番へ突入することとなります。
今次春闘は、『すべての労働者の立場にたって働き方を見直そう!「底上げ・底支え」「格差是正」でクラシノソコアゲ!』とのスローガンのもと、「賃上げの拡がり」と「働き方の見直し」を同時に推し進め、「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」「人的投資の促進」「ディーセント・ワークの実現」をめざす闘いと位置づけられています。
連合は、2014春闘から「底上げ・底支え」「格差是正」の旗を掲げ、とくに2016からは「大手追従・大手準拠などの構造の転換」「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」との新基軸のもと、労使関係の歯車を回すことに重点を置いて取り組んできました。その結果、直近の2017春闘では、足下の物価上昇がない中で4年連続の賃上げを実現し、加えて中小が大手を上回り、また非正規の処遇改善が正規のそれを上回るなど、60年を超す春闘史上においても初となる画期的な成果をあげてきました。
2018春闘においては、こうした新基軸に基づく取り組みと、「月例賃金」にこだわった賃上げの流れを継続・定着・発展させ、さらに社会全体へと広げていかねばなりません。
わが国の経済は回復基調にあるとされていますが、働く者にその実感はなく、依然として個人消費は伸び悩んでいます。ここ数年賃上げの流れが続いてはいるものの、家計収支においては、増傾向にある社会保険料に備えるため、消費ではなく貯蓄にまわっている状況が伺えます。つまり、長きにわたりまん延しているデフレと賃金停滞という環境ゆえに、将来に対する漠然とした不安を持ち、貯蓄から消費へのマインド転換ができていない現状といえるのでしょう。
また、連合は2017から「経済の好循環」という表現に代えて「経済の自律的成長」を掲げています。連合がめざす「経済の自律的成長」とは、まず、経済活動により生み出された原資を賃金に適正分配し、可処分所得を増やし、それが個人消費の増加をもたらし、企業活動の活発化につながることで経済成長に寄与するという、「賃金」を起点とした「正のスパイラル」のことです。その入口には立てたものの、これをさらに消費拡大へとつなげていく必要があります。
そのためには、車の両輪として取り組む政策・制度要求の「社会保障と税の一体改革」実現により将来不安の解消をはかるとともに、毎年、1年間頑張った分に応じて「賃金は上がるもの」という「社会的合意(常識)」を、再び日本全体に取り戻さなくてはなりません。漠然とした将来不安に備えて貯蓄に回さなくても、安心して将来設計ができるようにすることが重要な課題なのです。

◆もう一つの柱が、「すべての労働者の立場に立った働き方の見直し」です。
連合は随分以前から、少子高齢化による労働力不足といった人口動態の変化やIT化、ビックデータ、AI等の技術革新によって、生活環境だけでなく企業や産業における「働き方」さらには「働くこと」に対するマインドが変化していくことを見越して、働き方を見直さなければならないと主張し続けてきました。
ここ数年、いわゆる「働き方改革」が大きなテーマとしてクローズアップされ、社会全体の課題として認識されつつあることは、運動的成果であり改革に向けた好機と捉えることができます。
この潮流を確かな成果へとつなげなくてはなりません。今次春闘を「働き方改革元年」との位置づけのもとで、関連法案の成立や施行を待つと言った消極姿勢ではなく、職場の環境整備に向けた先行的な取り組みが、新たな課題であることも強く意識する必要があります。
「働き方」は産業・企業・職場によって様々であり、この職場の実態を見極め改善を加えていくことは、職場を熟知した労使にしかできません。「仏作って魂入れず」という言葉がありますが、法律が「仏」とすれば、その施行に先んじて「魂」をはぐくむ営みは、私たちが担っている労使関係に他ならないと言うことです。職場に健全な労使関係があってはじめて、企業と労働者の双方が納得できる「働き方」の見直しが可能になると言うことを、労使関係機能の重要性も含めて、改めて広く社会へ発信していくことも重要となってきます。

◆さらには、2016春闘から進めてきた「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を、実効性ある取り組みにつなげていくため「取引の適正化」推進に向け、引き続き、産業横断・社会横断的に取り組むとともに、新たな課題である「働き方改革」とも関連づけて、『「サプライチェーン」「バリューチェーン」でつながったチェーンは、「価格(プライス)」だけでなく「働き方」でもつながっている』との考え方を、今次闘争の新たな運動として力強く発信していくことにしています。
ただ、今通常国会で審議が予定されている「働き方改革関連法案」には、連合が一貫して「導入すべきでない」と異論を唱えてきた「高度プロフェショナル制度創設」「裁量労働制の適用業務拡大」が一括法案として盛り込まれています。
この内容は、過労死・過労自殺が社会問題化するなかで「働き方改革実行計画」に盛り込まれた労使合意による「罰則付き時間外労働の上限規制」「同一価値労働同一賃金」などの方向性とは相矛盾するものであり、今後、野党との連携による通常国会対応や、「クラシノソコアゲ応援団」連合キャンペーンを通じた世論喚起などの取り組みを通じて、何としても改悪を阻止しなくてはなりません。

◆さあ!いよいよ春闘本番です。今次闘争の前進的決着をめざし、それぞれの持ち場・立場で、最後まで粘り強く闘い抜いて参りましょう!
(2018年2月8日記)