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「ギャンブル大国・日本」の行く末

カジノ 統合型リゾート(IR)整備推進法案(カジノ法案)が、昨年の臨時国会閉幕間際の年末に成立したことはご存じのことと思います。民進党をはじめ野党などの反対が多く、与党・公明党でさえ自主投票扱いで山口代表などが反対。加えてマスメディアも「拙速審議」と批判するなかでしたが、積極的な自民党や日本維新の会などを中心とした「IR推進議連」の思惑通りに強行されてしまいました。

 

 そもそも、日本はすでに、競馬・競輪・競艇など公営ギャンブルの売上高が5兆円超、パチンコ・パチスロの市場規模は23兆円超(レジャー白書2016より)という「ギャンブル大国」と言われています。それに見合うようにギャンブル依存症の疑いのある人も多く、厚労省研究班の調査によると、患者数は536万人(成人の4.8%)にのぼるとされ、1%前後の諸外国と比べても極端に多いことが明らかになっています。

 また、わが国では、競馬は農林水産省、競輪は経済産業省、パチンコ・パチスロは警察庁という縦割り行政の管理下で、官僚の天下り先にもなっており、規制よりむしろ振興に走り、依存症を増やしているとの指摘もあるようです。

 現在の刑法では、健全な経済活動及び勤労への悪影響や、副次的犯罪の発生が懸念されることから「賭博」は禁じられています。しかし、公営ギャンブルは、特別に法律を作り刑法の適用外にされ、パチンコなどは、明らかに賭博ですが「三店方式」で換金されるので「賭博ではなく娯楽(遊技)」という理屈をいまだに通しているのです。

 こうした現状を顧みることなく強行されてしまった「カジノ解禁」への流れの背景には、行き詰るアベノミクス成長戦略の目玉として経済効果への期待を煽る議連最高顧問・安倍首相の思惑、そして、カジノ利権に群がる政官業の関係者による暗闘が透けて見えるようです。こんな「国民不在」の旧態依然とした利権争奪を助長するような「悪法」を許してしまっていいのでしょうか。 

 

 一方で、競馬やパチンコなどを細やかな楽しみにされている方々もいらっしゃることでしょう。実は私もその一人です。適度に楽しんでいるうちはいいのでしょうが、射幸心を煽られ熱くなってしまうのは禁物です。いずれにせよ、現状でも多いギャンブル依存症患者を、いっそう増やしてしまいかねない「カジノ解禁」は甚だ疑問ですし、そもそも、国民や外国人観光客を食い物にして稼げるようにすることを「成長戦略」の目玉にすること自体が、どう考えてもおかしくはないでしょうか。 

 

 今後、一年以内をメドに依存症対策(カジノへの自国民入場禁止・制限含め)なども盛り込んだ「カジノ実施法案」が具体化されていくようですが、将来に禍根を残さないためにも、社会への悪影響の排除や巨大利権の監視など、ギャンブル総体の管理・規制という観点も含め、時間をかけて様々な問題点を見据えた冷静な論議が尽くされなくてはなりません。

 皆さん!今後の動きに注目しておきましょう。