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第84回兵庫県メーデー神戸中央大会開催

  • 場所:神戸市大倉山公園野球場
  • 時間:2013年5月1日(水)

助け合い支え合い連帯の力で未来を切り拓こう!

 <全国統一メインスローガン>
「メーデーは働く人たちが主役。声をひとつに仲間を集めて、安心して暮らせる未来をみんなでつくろう!」


◆5月1日(水)、神戸大倉山公園野球場で開催した第84回兵庫県メーデー神戸中央大会(実行委員会(連合兵庫・連合神戸・兵庫県労福協・神戸労福協))は、神戸地域の連合組合員を中心に約1万人が結集。東日本大震災被災支援の継続、働く者・生活者の立場からの政策の実現、また世界平和と北朝鮮による日本人拉致事件の全面解決、等を含むメーデー宣言を採択しました。 

◆今年のメーデーも、参加者の集合場所を湊川公園に設定。そこから約1Kmはなれた大倉山会場 までを、参加者全員で東日本大震災復興支援のプラカードを掲げてデモ行進し、通行人・住民に支援活動への協力を訴えました。

◆また式典終了後には、会場に隣接する無名戦士の碑に対するメーデー実行委員会役員ならびに組合役員OBによるメーデー献花式をおこなうとともに、実行委員会メンバーによる東日本大震災復興支援募金活動をJR神戸駅周辺でおこないました。

【開会宣言】
 
◆第84回兵庫県メーデー神戸中央大会式典は、松田:実行委員会事務局長が 「昨年同様、東日本大震災復興支援を訴えつつこの会場までデモ行進していただいた。被災地の完全復旧・復興は、まだまだ先が見えない状況ですが、力を合わせて息長い支援活動を続けていきたいと思います。働く人々の連帯で、安心安全な社会を実現していくため、ともに頑張りましょう。それではただいまより第84回兵庫県メーデー神戸中央大会を開会します」 と力強くのべて開会を宣言しました。

主催者挨拶
実行委員長  森  本  洋  平

皆さん、おはようございます。連合兵庫の森本です。
 始めに、一昨年3月11日の東日本大震災によって亡くなられた方々の御霊に対し、そして、この1年間に亡くなられたわたしたちの仲間の御霊に対して、哀悼の意を表し、黙祷を捧げたいと思います。全員、起立・脱帽のうえ、ご協力をお願い申し上げます。
第84回兵庫県メーデー神戸中央大会の開会にあたり、実行委員会を代表してご挨拶を申し上げます。
まず、公私ご多忙の中ご臨席たまわりました、ご来賓の各位に厚く御礼申し上げます。

 井戸:兵庫県知事/矢田:神戸市長/水岡:民主党兵庫県連代表/梶川:社民党兵庫県連合代表/兵庫高退連:藤江会長/部落解放同盟兵庫県連合会:坂本委員長/近畿労金:若山兵庫地区統括本部長/全労済:酒井兵庫県本部長/国会議員・前国会議員各位/各市長・町長ならびに各級議会議員の皆さまをはじめ、多くのご来賓にお越しいただいております。
 誠にありがとうございます。
 今から127年前、1886年5月1日、後のアメリカ労働総同盟の指導のもと、シカゴを中心に約35万人の労働者が8時間労働制要求のゼネストに突入、結果として、約18万人が8時間労働制を勝ち取りました。
 しかし、この成果は残念ながら大きな犠牲の上に、達成されたものでした。ゼネスト突入直後、ストライキ労働者4名が殺害される事件が起こり、翌日それに抗議して集会が開催され、そこで労働者と警官の衝突が起こり、労働者4名、警官7名が亡くなりました。
 こうした、アメリカ労働者の闘争を記念して、1890年5月1日に第1回国際メーデーが挙行されました。
 日本における最初のメーデーは、大正9年5月2日の日曜日に東京・上野公園に1万人の労働者が結集して開催されました。
 しかし、我が国においてもまた、戦前の軍国主義化による弾圧や、戦後の「血のメーデー事件」なと、メーデーの歴史は決して平穏ものではありませんでした。
 こうした歴史を背負いながら、わたしたちは本日ここに集結しています。今、日本の労働運動が置かれた状況は「冬の時代」と言われていますが、労働運動にとって厳しくなかった時代はなく、私たちの先輩が働く人々の「団結」を唯一の武器として困難を乗り越えてきました。私たちは、もう一度その原点に返って、団結の旗を高くかかげて前進していかなくてはなりません。
 いま我が国では「アベノミクス」と称される経済政策により、円安・株高に動き、すでに経済再建・経済発展が成ったかのように持て囃されています。
 しかし実体経済の動きはこれからであります。デフレ脱却のためのインフレ導入も、国民の生活不安・将来不安が払拭されない限り逆効果になる恐れがあります。
  賃上げと福祉拡充の実現がなければ、GDPの60%を占める個人消費が活気づくことはなく、景気回復は絵に描いたモチに終わってしまいます。 

  その意味でも、2013春季生活闘争の回答状況は、決して納得できるものではありません。私たちは、いまこそ政治・経済政策の中心に「人」をおくことを強く求め、所得再配分機能の強化をはじめとして、ディーセントワークの実現を迫っていかねばなりません。
 逆に、非正規雇用労働者の処遇に関して、各企業で処遇についての協議が行われていることは、それぞれの組織における地道な「職場から始めよう運動」が進展してきた結果として、高く評価できると思います。
 また、それと同時に、現在政府主導で議論がすすめられている解雇規制緩和の問題も、日本の労働者がそれほど強く雇用が守られているのか、という視点での検証がまったくなされず、競争力強化やコスト重視の視点だけで処理しようという動きがあります。
 退職勧奨・希望退職・パワハラなどによる犠牲者はあとを絶たない状況であり、雇用と生活のセーフティーネットが確立されていない状況で、このような論議が進められていることに、我が国の政治の貧困が表れていると、言わざるを得ません。
 時あたかも目前に大きな政治選択の機会が迫っています。第23回参議院選挙と兵庫県知事選挙が同日に施行されます。私たちは『働くことを軸とする安心社会』という目標実現にむけ、働く仲間の代表を1人でも多く国政へ送り込むため、比例代表選挙で9産別が候補者を擁立し、兵庫県選挙区では「辻 泰弘」さんを推薦し、必勝を期して闘うことを確認していま す。 
 すさまじい逆風下での闘いになりますが、働く仲間の力を結集して、その必勝を期さねばなりません。そのような時期に、先を争って船を捨てる動きも見られますが、私たちは決してオールを離すことは致しません。力を合わせて、この荒波を乗り切っていきましょう。
 また、兵庫県知事選挙については、本日ご臨席の「井戸敏三」知事に対し、この兵庫県において雇用のセーフティーネットとディーセントワークを実現し、全世代支援型、地域福祉政策の推進という政策要請を付した上で、知事選挙への出馬要請をおこないました。井戸知事の勝利こそが「県民のための県政」実現への道であると確信いたします。参議院選挙と連動させた積極的な闘いを展開し勝利したいと思います。
 今回のメーデー統一スローガン「メーデーは働く人たちが主役! 声をひとつに仲間を集めて、安心して暮らせる未来をみんなでつくろう!」を掲げ開催しています。
 人は一人では生きていけません。助け合い、支え合う共助の輪を拡大し、連帯強化によって労働者の未来を切り拓いてゆこうではありませんか。労働組合は社会に不可欠な存在であり、労働組合の存在意義を高めるべく、社会改革運動の源泉はここにあることを、このメーデー集会を通して強くアピールしてまいります。
 第84回メーデー万歳!

メーデー宣言 (案)
堀井説也:副実行委員長(兵庫労福協副会長)

  本日、私たちは第84回兵庫県メーデー神戸中央大会を開催した。

 東日本大震災からすでに2年が経過したが、被災された方々は、進まぬ復興、長期にわたる避難生活、不安定な雇用に今なお大変な苦労を強いられている。被災地の復興を加速するためには、何より被災地の方々の安定的な雇用が不可欠であり、私たちは、これからも被災地との絆を深め、復興と再生に向けて全力を尽くす。
  一方、わが国は、長引くデフレ経済、格差・貧困問題の拡大や不安定雇用の増大、将来不安を抱える社会保障制度など深刻な状況にある。今こそ、経済の中心に人をおくことを求め、雇用の安定と格差の是正、労働者保護の推進とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現、社会的セーフティネットと所得再分配機能の強化など、働く者・生活者の立場からの政策の実現を強く求めていく。
 同時に、「傷んだ雇用と労働条件」の復元に全力で取り組み、すべての労働者の賃金・労働条件の底上げをはかっていく必要がある。私たちは、「人への投資」を経営に求め、適正な成果配分を追求する。春季生活闘争を最後まで闘い抜き、消費と内需の拡大へとつなげ、ゆとりと豊かさを実感できる持続可能な社会を実現しなくてはならない。
 集団的労使関係をあらゆる職場で確立していくために、労働組合の社会的意義を積極的にアピールし、一人でも多くの仲間の結集を進めていく必要がある。人はひとりでは生きていけない。助け合い支え合う共助の輪を拡大し、連帯を強化していく。
 海外では、今なお自由と平和を脅かす状況が続いている。核開発・核実験が強行され、地域紛争やテロもあとを絶たない。私たちは、いかなる国に対しても、これを許さず、核兵器廃絶と人権侵害救済、北朝鮮による日本人拉致事件の全面解決のため、力を尽くし行動していく。
 メーデーは労働者の国際連帯の日である。世界では、労働者の基本的権利など人権の侵害や、労働組合活動家への厳しい弾圧と迫害は依然として後を絶たない。仕事に就けない若年者や非正規雇用の増加、社会的保護の未整備などにより貧困や格差は拡がっている。
 私たちは、国際労働組合総連合(ITUC)や諸外国の労働組合と連帯し、自由と世界の恒久平和、そして、すべての人のディーセント・ワーク実現のために取り組みを推進し、格差を是正し貧困の撲滅を目指さなくてはならない。
 メーデーは働く人たちが主役である。NGO・NPOや志を同じくする仲間との連携と、すべての働く者の連帯で、STOP THE 格差社会!暮らしの底上げを果たし「働くことを軸とする安心社会」を実現することを、今ここに宣言する。
2013年5月1日
第84回兵庫県メーデー神戸中央大会

「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」に向けた特別決議 (案)
松村英洋:副実行委員長(連合神戸議長)

  デフレ脱却・景気回復への期待感は高まっているが、働く者・生活者の雇用と生活の改善につながる確たる道筋は見えない。
 デフレ脱却には、まず雇用・所得の改善と将来不安の払拭による消費の拡大が最優先されるべきである。しかし、安倍政権は、肝心の社会保障制度改革は脇に置いたまま、労働規制の緩和について議論を進めている。また、企業経営者に賃上げを求める一方で、生活保護基準の引き下げや地方公務員の給与引き下げを進めようとしている。
  これらの政策は、つじつまが合わないばかりか、雇用・生活の改善に逆行するものであり、断じて認めるわけにはいかない。
 わが国の再生には、良質な雇用の創出、ディーセント・ワークの実現、社会的セーフティネットと所得再分配機能の強化などによる国民生活の底上げが不可欠である。
 われわれは、「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」をめざし、正規・非正規にかかわらず、すべての働く者の連帯と幅広い仲間との連携により、以下の課題に組織の総力を挙げて取り組む。

1.雇用の質の向上と暮らしの底上げをはかるため、最低賃金の遵守と引き上げをめざす。
2.生活保護基準については、「貧困の連鎖」が懸念されるため、撤回・再考する。新たな生活困窮者支援制度について早期の法案提出と成立をはかる。
3.解雇規制の緩和など、民主党政権下で実現されてきた労働者保護や雇用のセーフティネットを後退させ、格差社会を進行させるような労働規制の緩和を断固阻止する。
4.雇用における女性の就業継続と就業率の向上、妊娠・出産保護、男女の仕事と育児の両立支援策を積極的かつ戦略的に進める。
5.公務員の労働基本権を回復し自律的労使関係を確立する。地方公務員給与に関する各自治体での労使交渉が尊重されるよう、2013年度予算で必要な財源を確保する。
6.労働組合の社会的意義を広く周知し、働く者のセーフティネットの拡充と相互信頼の下での集団的労使関係の拡大に向けて、「40万連合兵庫」さらに「1000万連合」の実現に全力で取り組む。

 そのために、7月の参議院選挙は兵庫選挙区「辻 泰弘」候補と比例区9名の組織内候補、また、兵庫県知事選挙では「井戸 敏三」候補の全員勝利に向けて、総力を結集する。

  以上、決議する。

2013年5月1日
第84回兵庫県メーデー神戸中央大会