会長コラム『波動』

安倍政権という『国難』を『突破』する『解散』総選挙にしよう!

 

 「この解散は『国難突破解散』です」

 9月25日、安倍首相が記者会見を開き、臨時国会冒頭(28日)に衆議院を解散すると表明し、衆院選を「10月22日投開票」とする日程も発表しました。その際に、解散の位置づけを冒頭のように銘打ちました。

 北朝鮮情勢が緊迫するなかで、あえて政治空白をつくってまで総選挙を行うことの説得力ある説明は、会見では一切伝わってきませんでした。野党はじめ多くのマスコミも指摘しているように「森友・加計学園疑惑隠し解散」「自己都合(身勝手)解散」と断じざるを得ませんし、「前原民進党の混乱」「小池新党(希望の党)の準備が整わないうちに」という皮算用が、安倍首相の本心であることは間違いないでしょう。マスコミが言う「野党の虚を突く党利党略」解散です。

 そして、あろうことか、北朝鮮の脅威を逆手にとって「民主主義の原点でもある選挙が北朝鮮の脅かしによって左右されることがあってはならない」と解散理由に絡ませ利用する始末です。

 また、安倍首相は解散の大義について、2019年10月の消費税引上げ分の使途を見直し、幼児教育無償化など「社会保障の充実」に充てることの是非を問いたいとしました。しかし、アベノミクスによる失政をごまかすために、「新しい判断」などと得意の詭弁を用いながら、三党合意であった幼児教育・保育の充実を含む社会保障と税の一体改革の理念を反故にしてまで、消費税率引き上げ時期を国政選挙の度に先送りしてきたのは安倍総理本人です。

 2014年4月の消費税率引き上げの際も、「引上げ分は全額、社会保障の充実と安定化に使う」と大々的に宣伝していたにも関わらず、増収分の約8割は借金返済に充当するなど約束を反故にしていたのです。それをいまさら、増税分の使途変更に関して「重い決断をする以上、国民に信を問わなければならないと決心した」などと、解散の理由に仕立て上げてしまった訳です。

 しかも、消費税増税分の使途変更は、民進党の前原代表が先の代表選挙で訴えていた考え方と同様なのです。このように、国政選挙のたびに繰り返される「争点隠し」「抱きつき戦略」という姑息な選挙戦略をとる安倍政権。恥も外聞もない厚かましさには呆れかえるばかりで、開いた口が塞がりません。

 加えて、憲政史上最も悪質な解散との声もあるなかで、「解散権行使」そのものの是非=「解散権の制約」を争点にする野党の動きがあります。

わが国においては、「解散権は憲法で認められている総理の専権事項(伝家の宝刀)」なる解釈・認識が一般的ですが、国際的には当たり前ではありません。OECD加盟国を見ても、ほとんどの国が解散権を厳しく制限していたり、不信任決議がされた場合など以外では認めていないのが現実です。ドイツでは、首相は解散権自体を持っておらず、下院の解散は首相に対する信任決議が否決された場合などに限定されています。それは、解散がナチスの独裁を導いたという国家としての反省からであり、首相の解散権濫用は国民から極めて厳しい目で見られているということです。

 今回の解散・総選挙も然りですが、安倍政権下の「解散権濫用」は、明らかにわが国の政治の劣化を加速させています。

 まず、首相が解散をチラつかせて野党を牽制し、与党の求心力を保とうとするため、国会議員は政局に右往左往し、常に選挙対策に追われる。結果、長期的な視野で腰を据えた政策論議がされ難くなる。そして解散権を私物化した首相は、政局を第一に考え、「解散は当分ない」「解散の選択肢はない」などと国民に平気で嘘をつき、今回のように不意打ちで延命のために解散する。その結果、政治家もマスメディアも大慌て。国民は「何のための選挙か」を把握できないまま選挙に突入する。本番に入れば報道は「公正中立」を名目に制限され、国民の得られる情報も限定されるため、有権者は混乱のなかで短い選挙期間を通じ、極めて限定的な情報をもとに、投票という判断を迫られる。ここ数度の国政選挙における投票率低下の傾向は、こんな背景にも起因しているのではないでしょうか。

 こんな国民不在の政治でいいのか。姑息で不意打ちの選挙は、国民の選択肢を制約して、政策を基軸とした選挙でなくイメージや「風」が選挙結果を左右するようなことになり、議会制民主主義の危機へとつながっていくように思えてなりません。憲法改正を争点にするのであれば、これを機会に、総理の解散権の制限について、「健全な民主主義」を取り戻すためにも考えるべきではないでしょうか。

 安倍政権は「一強体制」を維持しながら、まもなく5年になろうとしています。この間、繰り返された、選挙で公約したことは言い訳ばかりで実行せず、国論を二分するような安保法制やいわゆる共謀罪といった重大法案に関しては、選挙では争点化を避けたり、丁寧に説明して信を問うことはせずに、騙し討ちのように強行採決で次々と成立させてきました。

 このたびの解散・総選挙においては、安倍政権の約5年間におよぶ数々の暴挙や失政を今一度思い返すと同時に、森友・加計両学園疑惑に象徴されるような、行政・国会を私物化し、選挙になれば美辞麗句を並べ立て、平気で嘘をつき、国民を騙し続けると言う、こんなとんでもない現政権の横暴を、いつまで許すのかが問われる選挙と言えるでしょう。

 安倍首相自らが命名した「国難突破解散」を逆手にとって、安倍政権が続くという『国難』を、良識ある国民の意思で『突破』する『解散』総選挙にしようではありませんか。少なくとも、働く者・生活者の立場に立つ民進党をはじめ、連合・連合兵庫の推薦・支持するすべての候補者が勝利し、一定の勢力を占めることで、緊張感ある政治を取り戻す足がかりを築かねばなりません。

 『10月22日投票』まで1ヶ月たらずという短期決戦となりますが、働く者の総力を結集して、この「戦い」に立ち上がりましょう!

(2017年9月27日記)

 

最新の会長コラム『波動』

2017/09/29
安倍政権という『国難』を『突破』する『解散』総選挙にしよう!
2017/09/14
民進党新体制・働き方改革・連合兵庫大会に寄せる想い
2017/08/3
労基法等改正法案の修正等をめぐる一連の騒動に想う
2017/07/20
安倍一強政治「終わりの始まり」にしよう!
2017/06/20
『労働者福祉運動』の歴史と意義を再考しよう!