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第28回地方委員会会長あいさつ

 

第28回地方委員会 会長あいさつ

連合兵庫会長   辻    芳 治

 20141030tihouiinkai3043連合兵庫第28回地方委員会に、県下各地よりご参集頂きました地方委員並びに構成員の皆さん、大変ご苦労様でございます。
  昨年10月の定期大会において、森本前会長からバトンを受け、新体制のもとで進めて参りました連合兵庫の運動でございますが、1年が経過し2年スパンの運動の折り返し点となりました。

◆さて、この夏から秋にかけては、改めて自然の脅威を痛感させられました。過去最大規模などとも言われた度重なる台風の襲来、記録的な豪雨・土砂災害、そして御嶽山の噴火などによって、多くの尊い人命が奪われ、土砂崩れによる家屋の倒壊や浸水など、全国各地に甚大な被害をもたらしました。
  あらためて、犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に対し心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧と生活再建をお祈り致します。

◆私たち連合兵庫は、8月中旬に発生した丹波豪雨災害に対し、現地の丹波地協とも緊密に連携するなかで、災害支援ボランティアの派遣に取り組んでまいりました。15日間にわたり延べ約400人日のご協力を頂き、被災家屋の土砂撤去など被災者の生活再建に向けた支援にあたってきたところです。構成組織独自にボランティアを派遣されたところもあり、こうした支援活動にご協力頂いたすべての皆様に、敬意と感謝を申し上げます。

◆一方、あの東日本大震災から3年7カ月が経過しました。今なお復興・再生の途上にある被災地に寄り添いつつ、継続的支援の取り組みを強化していくことについて、皆さんと共に決意を新たにしたいと存じます。
  同時に、明年の1・17阪神淡路大震災20年の節目にあたり、あらためて、この震災の経験と教訓を風化させないとの想いを共有し議案提起しています「震災シンポジウム」の成功を期すとともに、今後の災害に「備える」ため、「連合兵庫緊急災害支援ボランティア運営要綱」に基づく取り組みに推進してまいります。

◆本地方委員会は、昨年の定期大会で確認した2年間の運動方針に基づくこの1年間の運動を振り返るとともに、向こう1年間の運動課題について意識合わせを行なうことが主要議題となります。私からいくつかの課題について所見を申し上げ、のちほどの討議の参考に供したいと思います。

◆第1には、安倍政権のこの2年間の政策運営を振り返りつつ、以下3点の問題認識とそれをふまえた政治課題への対応について申し上げたいと思います。
◇1つ目は、どこを向いて誰のための政治を行なっているのかという点です。働く者や生活者のことが二の次、三の次におかれ、投資家や株価がどう反応するかを第一に考えた政策運営になっています。
  6月に閣議決定した「日本再興戦略改訂2014」では、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を作り上げ、ヒト・モノ・カネを「稼ぐ力」すなわち収益力の強化に総動員するとしています。目先の利益率を上げ、株価を上げようとする意図が透けて見えます。労働者保護ルール改悪の動きもこうした文脈で論議の俎上にのぼっています。働く者・生活者を犠牲にした成長戦略など言語道断だと言う指摘です。
◇2つ目は、アベノミクスの先にどのような社会を実現しようとしているのかが明確でないことです。アベノミクスは、投資家に株価への期待を抱かせることには成功しましたが、5年後10年後の社会に希望と安心の光を灯そうとするものではありません。むしろ、様々なリスクを増大させています。日本再興のために政治が今やらなければならないのは、傷んだ雇用社会日本をどう立て直していくのか、超少子高齢・人口減少社会をどう支え合い、持続可能な社会を構築していくのか、この国の未来の設計図を国民に提示し、合意形成をはかることです。
  経済成長は即、国民の幸せを約束するものではありません。より多くの国民を幸せにできる経済成長、すなわち、世界の潮流となりつつある「インクルーシブ・グロウス(包摂的成長)という理念に基づく成長こそが追求されなければならないとする指摘です。
◇3つ目に、この国の将来を左右する重要政策が、政府・与党および政権寄りの一握りの人たちだけで決められているという手法の問題です。働く者の代表がいないところで労働法制の改悪が提起されているばかりでなく、昨年末の特定秘密保護法、7月の集団的自衛権に関する閣議決定など、国民軽視の手法が目立ちます。
  国を統治する者の基本姿勢として、政権に耳の痛い話もシッカリと聞くことが重要だとの指摘です。

◆いずれにしても、私たちは、このように「官邸主導で暴走する安倍政権」と対峙しながら、これからの運動を進めていくことが迫られています。決して、あきらめたり、怯んだりすることなく、果敢に立ち向かっていくとの決意を固め合いたいと思います。
  そのうえで、1年9ヶ月後(2016年7月)に迫っている次期参議院選挙および約2年以内には必ず行なわれる総選挙など、ダブル選挙も取りざたされる次期国政選挙も視野に入れつつ、当面は、その試金石ともなる明春の統一地方選挙において、組織内候補の完全勝利はもとより、推薦・支持候補の勝利で、地域から政治の流れを変えていかなくてはなりません。

◆選挙情勢は、民主党の支持率回復が道半ばの厳しい状況にあるなかで、決して楽観は許されない逆風下の選挙戦となります。各構成組織が今一度、組織内つまり足元を固め直すためにも、日常的な取り組みのなかに組合員の政治意識高揚を位置づけるなど、一歩踏み込んだ取り組みの徹底が必要不可欠になってくると認識しております。

◆また、民主党に対しては、議員一人ひとりがより危機感を持って、働く者・生活者のために不条理と闘う政党への再生をめざし、一丸となって奮起頂くことを期待したいと思います。連合兵庫に結集するすべての組織の総力で、「兵庫から政治の流れを変える」との気概を持って取り組みを進めて参ります。

◆第2には、安倍政権に対峙する象徴的な課題となっている「労働者保護ルール改悪阻止」に向けた取り組みです。 先の第186通常国会における取り組みでは、民主党との連携を強化するとともに、街頭アピール行動や各地方議会における意見書採択等に取り組むなかで、労働者派遣法改正案を審議未了・廃案に追い込むなど、一定の成果を挙げることができました。

◆兵庫県下の街頭アピール行動については、「ストップ・ザ・格差社会! 暮らしの底上げ実現キャンペーン第2弾」の取り組みとして、昨年12月に続き、本年3月の春闘総決起集会時、そして4月・5月と、通常国会開会中はほぼ毎月取り組むとともに、各地域協議会においても、従来にも増す頻度で、地域事情に応じての街頭行動に立ち上がって頂きました。
  加えて、全県的な取り組みとしては、初となる「意見書採択」についても、各地協とフォーラム議員の連携により多くの議会で採択に持ち込むことができました。

◆しかしながら、現在開会中の第187臨時国会には、将来世代を一生涯不安定な雇用に追いやりかねない「労働者派遣法改正案」が再提出され、国会での審議が大詰めを迎えようとしていますし、蔓延する長時間労働の是正が急がれるにも関わらず、あの悪名高き「ホワイトカラー・エグゼンプション(いわゆる残業代ゼロ制度)」の導入に向けた労働政策審議会での審議も年内取りまとめの方向で始まっています。

◆まさに、「労働者保護ルール改悪阻止」の取り組みは正念場を迎えています。連合はいま、この取り組みを当面の最重要課題と位置づけ、全国キャンペーン第3弾の取り組みとして、「生涯派遣で低賃金を払拭」「残業代NOより過労死ゼロ」をスローガンに掲げ「全国縦断アピールリレー」を展開しています。

◆連合兵庫は、11月7日に連合徳島からタスキを受け、9日に連合和歌山に繋ぐことになります。この3日間、各地協との連携のもと連合兵庫の総力をあげて、広く県民に対してのアピールをして参ります。私はその先頭に立って頑張る所存ですが、より多くの皆さん方がこの行動に立ち上がって頂きますようご要請申し上げる次第でございます。

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◆第3は、2015春季生活闘争についてです。世の中の大きな注目を集めた2014春闘では、すべての組合が月例賃金引上げにトコトンこだわった取り組みの結果、1999年以来、15年ぶりに「定昇込み平均2%」を超える高い賃上げ回答を引き出すことができました。
  しかし一方で、企業規模間や非正規労働者の賃金格差の是正は依然として進んでいないとの結果も明らかとなっています。

◆2015春季生活闘争は、こうした成果と課題を踏まえ、かつ足下の経済社会情勢を見極めながら、10月17日の中央執行委員会で確認された「基本構想」をベースに、12月の連合中央委員会での方針決定に向け論議が進められていくこととなります。

◆基本構想の骨格は、「賃上げ」「時短」「政策・制度実現」を3本柱とし、とりわけ中小・非正規を中心とした「底上げ・底支え」「格差是正」に全力を尽くし、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」をめざすものです。

◆また、賃上げについては、物価上昇や経済成長と整合した賃金引上げを、安定的かつ継続的に行なうこと、家計消費の拡大のためには月例賃金の引き上げが必要であり、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわる取り組みを行なうことを重視し、定期昇給相当分(約2%)の確保を前提に「2%以上の賃上げ要求」つまりトータルで「4%以上」の要求が提起されています。
  さらに、ディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕事)とワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けて、こだわりを持って総実労働時間の縮減に向けた取り組みも加速するとしています。

◆いずれにしても、2015春闘は、デフレ経済から脱却し持続的な成長軌道に乗せることができるのか、それとも、賃金は停滞し物価だけが上がる悪いインフレに陥るのか、日本の将来を左右する分水嶺と言っても過言ではなく、2014春闘以上に、わが国の労働運動と労使関係の社会的責任が問われる重要な位置づけになるとの認識共有が必要です。

◆連合兵庫としては、春闘方針説明会の年内開催で全体的な取り組みを前倒しすることや、新たな取り組みとして「地域の活性化」をテーマとしたフォーラムの企画など、中小・地場組合の闘争支援、春闘の社会的広がりを最大限意識した取り組み強化をめざし、これまで以上に、各地協との連携のもとで地方連合会としての役割を果たしてまいりたいと考えています。

◆そして第4に、「40万連合兵庫」の実現をめざす組織拡大の取り組みです。
  2020年を目標年次とする「1000万連合」「40万連合兵庫」の実現をめざし、構成組織・地域協議会との連携による三位一体で、新たに非常勤オルガナイザーを募集し配置するなどの体制整備も図りつつ、取り組みを強化してきました。

◆また、本地方委員会には「アクションプログラム・ロードマップ」を提案し、年度毎の目標設定と各組織の具体的行動ついて意思統一を図り、次年度以降、更なる取り組み強化をめざしたいと考えています。

◆しかしながら、この1年間の拡大実績は、構成組織毎の成果に合わせ、なんでも労働相談からの組合結成、未加盟組合の組織化などで、18組合・約5,400人の成果を挙げたものの、退職等による自然減もあり、残念ながら実質的な拡大には至っていない状況にあります。

◆今後とも同様の傾向が続くと想定されるなかにあって、「相当の強い意志」と「戦略を持った対応」なしに目標の達成は厳しいと言わざるを得ません。

◆一方、労働組合のある企業とそうでない企業、つまり組合員であるか否かで格差が拡大する傾向にある現状も直視して、すべての働く者の拠り所となる労働運動を再構築していくうえで、「組織拡大」は生命線とも言える最重要課題であることを、改めて認識共有しなくてはなりません。
  リーダーの本気度が問われています。今こそ、単組は企業内や企業グループ内の、産別は産業内の、そして連合兵庫は県全体の集団的労使関係の拡大を、それぞれの役割分担に基づく社会的責任を果たす時であるとの強い意志を持って、共に汗をかこうと訴えるものでございます。
連合兵庫旗

◆私は、昨年の定期大会における「新役員代表挨拶」のなかで、「めざしたい運動の方向性」として以下4つのことを申し上げました。
①縦糸と横糸、つまり構成組織の縦軸運動と、連合兵庫・地協の横軸運動を織りなすため、相互理解と信頼関係をさらに深化させたい
②内向きの運動、前例踏襲主義からの脱却をめざしたい
③現場主義をさらに徹底したい
④弱みの克服には臆せずチャレンジしたい  ということでした。

◆私なりにこの1年を振り返ってみますと、
①全地協三役および構成組織との意見交換会を行ない「顔合わせ」「腹合わせ」そして相互理解を深化させるうえで意義ある取り組みが展開できたこと
②丹波豪雨災害に際しても、被災現地の状況等をふまえつつ支援活動に機敏に対応できたこと
③労働者保護ルール改悪阻止に向け、従来にも増す頻度で街宣活動や決起集会等に取り組み、運動の社会性を一定前進できたこと
④公契約条例が西日本2番目・県内初として三木市で制定されたこと
⑤タワージャズジャパン西脇工場閉鎖問題に対し、労組がないからと傍観者になることなく、組織化、労使交渉、そして連合初となるOECD多国籍企業行動指針違反としてNCP(ナショナル・コンタクト・ポイント)への問題提起、県労委への斡旋申請など、県下で働く仲間の支援に立ち上がれたこと
⑥兵庫県社労士会など新たな団体との意見交換の場を作れたこと
⑦「共助の輪」を拡げる労働者自主福祉活動の活性化に向け、県労福協・労金・全労済との連携強化の基盤が着実に前進しつつあること
 
など、構成組織・地域協議会の皆様、関係諸団体の皆様方の取り組みに対するご理解とご協力のもとに、一定の前進的な成果と着実な足跡を残すことができた1年であったと思っております。

◆各組織の力強い取り組みに対し、敬意と感謝を申し上げるとともに、引き続き、連合兵庫への結集と連合運動の質・量両面からのパワーアップ促進は、全ての組織の共通課題であると受け止め、格段のご理解・ご協力を賜りますようお願い致します。