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  • 労働対策

2013春季生活闘争/政策・制度要求実現総決起集会開催

  • 場所:神戸市 東遊園地
  • 時間:2013年3月9日(土)

傷んだ雇用と労働条件を復元し、労働の尊厳を取り戻そう!  

◆連合兵庫は、3月9日(土)、神戸市中央区の東遊園地で、2013春季生活闘争/政策・制度要求実現総決起集会を開催しました。集会には構成組織・地域協議会から約2500名が参加、全ての労働者を視野に入れた闘いを進める中で 「賃金の復元・格差是正」にとりくむとともに、「災害復興・国民生活改善」を中心とした政策・制度要求の実現も目指していくことを確認しました。◆集 会終了後には、参加者全員で会場から鯉川筋までデモ行進をおこない、連合が掲げる 「復興・賃金復元」 等をシュプレヒコールでアピールしました。

◆(また、当日は決起集会開催に先立ち、官公部門連絡会が同所において 『公契約条例と公共サービス基本条例の制定を求める兵庫県集会』を、交通運輸部門連絡会・兵庫県交運労協が『タクシー事業法・交通基本法』の制定を求めて集会を開催、女性委員会が3月8日の国際女性デー世界連帯行動の一環として、会場周辺および三ノ宮センター街東口において 『男女共同参画社会の実現』 を中心とした連合の方針をアピール。道行く人々にアピール文を掲載したビラを配布しました。

主催者あいさつ
連合兵庫会長   森 本  洋 平

◆連合兵庫2013春闘総決起集会に結集された仲間の皆様、大変ご苦労様です。主催者を代表して、本集会に結集された皆様方と、全ての働く仲間に連帯のご挨拶を申し上げます。

◆2013春季生活闘争がスタートいたしました。今年の春闘はスローガンにもありますように、「すべての労働者の処遇改善を追求し、働く事を軸とする安心社会」を実現することです。

◆様々な格差を是正し、全ての働く者に「ディーセント・ワーク」を行き渡らせることに全力で取り組み、その結果を内需の拡大と持続可能な成長に繋げる闘いにしなければなりません。

◆2013春闘の要求内容は、賃金制度の確立と整備をはかり、賃金カーブを確保した上で、ベアに拘らず年間1%の賃金改善を求めるという、働く者にとって誠に慎ましやかな要求であり、経営側は要求主旨に添って誠意を持って応えるべきです。

◆1997年以降、私たちの賃金は低下し続け、逆に企業の内部留保は増え続けています。勿論、内部留保は現金だけではなく、動産・不動産全てを含めた額だということは十分承知しています。
それでも尚、キャッシュフローを含めて内部留保は増え続け、今や300兆円にも達するという統計が出されています。

◆企業経営者はリーマンショック後の、銀行による貸しはがしや貸し渋り、企業買収など先行き不透明感を理由に、最も重要な経営資産である、私たち働く者の声を聞き入れようとはしません。

◆今回の春闘は、日本経済のデフレからの脱却を目指した闘いでもあります。ミクロの論議に埋没するのではなく、マクロの論理に視点を変え、如何にして現状の日本経済を再生していくのか。そのために、今何をなすべきかということであります。答えは明らかです。働く者・生活者への活力注入です、労使の英知と勇気ある決断によって、日本経済の再生に取り組むべきであると思います。

◆昨年末の衆議院選挙で政権が交替いたしました。第二次安倍政権が発足し、少々狂い咲きしたかのように、自ら賃上げでデフレ脱却をと、経団連に申し入れたようであります。この行動をマスコミが囃したてているようですが、実際には経済団体も冷ややかな見方をしているようであります。相変わらず支払い能力に応じた対応が必要であり、到底ベアには応じられず定昇すら問題との見解です。

◆勿論、私たちも厳しい交渉になることは十分予測されます。しかし、このような苦しい時ほど、働く者の素朴な声と切実な思いを、大きな声で発信することが、連合運動の社会的責任であると思います。

◆今後、来週の先行組合の集中回答日を前半の山場として、中小共闘を軸に最大限の努力を傾注してまいります。最低限、地域ミニマム目標である、賃金カーブの維持を獲得し、その上でベアに拘らない、労働諸条件の改善を目指してまいりたいと思います。

◆そして、もう一つの大きな課題としてあるのが、政策制度課題の実現です。再び自民党安倍政権となり、今のところ支持率も高く、景気対策中心に安全運転をしているようですが、三本の矢の一つである、成長戦略の柱とされる規制改革に関する論点を見ると、解雇規制や労働時間、派遣規制といった分野で、労働者保護を大きく後退させる規制緩和策が、取り上げられようとしています。

◆働く者の犠牲のうえに成長戦略を描こうとしているのです。「柔軟で多様な働き方を進める」という名の下に労働者保護を後退させる、安倍政権の本質を広く国民に訴えていかなくてはなりません。そのためのも第23回参議院選挙は負けられない重要な戦いとなります。

◆小泉・竹中改革が何であったのか、私たち働く者が最もよく理解しているはずです。競争原理で奪い合う社会に戻してはなりません。夏の参議院選挙は市場経済の競争に委ねる「奪い合う社会から、分かち合う社会へ」「競争社会」から「共生社会」へ、「働く事を軸とする安心社会」の実現を目指す選挙にしなければいけません。

◆民主党にとっては後のない戦いになると言われております。私たち連合運動にとっても、その存在意義が問われます。しっかりと覚悟を決めて戦います。連合の、比例区組織内議員予定候補者9名と、兵庫選挙区予定候補者「辻泰弘」の勝利を目指して、連合兵庫一丸となって戦います。皆様方の最大限の御協力をお願い申し上げます。

◆本集会に結集された皆様方には、私どもの戦いの先頭に立っていただき、2013春闘を勝利させること。そして、その勢いで第23回参議院選挙の完全勝利を目指すことを、共に御誓い申し上げ主催者を代表してのご挨拶とさせていただきます。
共に頑張りましょう。ありがとうございました。

情勢報告
連合兵庫事務局長   辻     芳 治 

◆連合兵庫総決起集会に結集頂きました皆さん、大変ご苦労様です。20 13春季生活闘争をめぐる情勢、ヤマ場に向けた取り組み方針等について報告・提起申し上げます。

◆はじめに、今次春闘をめぐる直近の特徴的な情勢と連合の基本認識について申し上げます。

◆まず、日本経済の現状ですが、安倍新政権の掲げる金融政策・財政政策・成長戦略、いわゆる「アベノミックス」への期待先行から、円安・株高が進んでおり、輸出型産業を中心に業績引き上げ効果が見込まれていますが、実体経済の明確な回復までには至っていないのが現状です。

◆また、政府が2月末に閣議決定した「平成25年度の経済見通し」における経済成長率は、外需の回復や公共投資、さらには消費税引き上げ前の駆け込み需要増などにより、実質で「2.5%」、名目で「2.7%」が見込まれているところです。

◆さらに、特徴的な動きとしては、政府がデフレからの脱却を明確に打ち出し、安倍首相が経団連など経済3団体に対し、異例とも言える「賃金引上げ」を要請し、マスコミ等の注目を集めていることが挙げられますが、その一方で、地方交付税を3,900億円も減額して、地方公務員の給与削減を地方自治体に強要しようとする動きもあります。

◆そもそも、労働条件の決定は「労使自治」による交渉が基本であり、デフレからの脱却と所得の向上によって内需拡大を図り、日本経済を持続的・安定的な成長軌道に復帰させていくことは、労使の社会的責任でもあることを自覚した交渉を展開する必要があります。

◆今次春闘における経営側の態度は、「置かれた環境が厳しく、組合の要求に応えるのは難しい」「雇用を最優先に考えなければならない」「企業の経営体質を強化するためには『総額人件費の適正化』が重要だ」と、相も変わらず、個別企業のミクロの論議に埋没した、不誠実極まりない姿勢に終始しています。「人」への投資あってこそ技術革新や競争力強化につながることを粘り強く訴えて行かなければなりません。

◆最近のマスコミ報道によれば、ローソンが若年層を中心に年収を3%引き上げることや、大手スーパーのイトーヨーカ堂などを傘下とするセブン&アイ・ホールディングスが「ベア実施」を決めたこと、さらにはファミリーマートも・・・と、流通業界を中心に、私たちの主張・要求を受け止めた「歓迎」すべき動きもあります。

◆いずれにしても、連合に結集するすべての労働組合が、「傷んだ雇用と労働条件」を復元させるためにも、未組織労働者を含むすべての働く者へと波及させていくという春闘メカニズムの重要性を再確認し合い、あらゆる戦術の行使も辞さず、最後まで粘り強く労使交渉に臨む決意を固め合いたいと存じます。

◆次に、連合本部が3月4日現在で集計した要求状況の特徴点について報告申し上げます。

◆賃金改定要求に関しては、すべてのデータ集約とはなっていない模様ですが、「3,297組合」が要求を提出しており、昨年に比べて181組合増えています。要求金額は「3,123円(昨年比449円増)」となっています。
一時金要求については、年間加重平均で「4.92カ月要求」となっており、昨年比で「+0.17カ月」となっています。

◆また、今次春闘において重要課題となっている労働関係諸法への対応については、労働契約法関連で「無期転換促進の取り組み」を行った組合が442組合、「無期転換後の労働条件についての取り組み」が431組合、「有期契約労働者の労働条件全般についての点検、分析・検討、是正等」に取り組んだ組合が451組合となっています。この他にも、多くの組合が「非正規共闘」の方針に基づき、点検中であるとの状況です。

◆さらに、施行が直前に迫っている「高年齢者雇用安定法」に関しても、「希望者全員を対象とした65歳までの雇用確保の取り組み」について、すでに取り組み済みの283組合に加えて、今回取り組む組合が645組合となっています。

◆以上が要求状況の特徴点ですが、厳しい情勢にあるなかで、連合方針をふまえ、「傷んだ雇用と労働条件の復元」をはじめ重要労働関係法の成果を職場に活かす取り組みも、着実に推進されているものと受け止めることができます。

◆次に、一昨日7日に開催されました連合第3回中央闘争委員会確認の「ヤマ場に向けた取り組み方針」について申し上げます。

◆3月15日までに回答を引き出す予定の「第1先行組合」は、3月1日現在で282組合が登録されています。経営側の賃上げ抑制姿勢をはね返し、所得向上による内需拡大と日本経済の自律的成長への回帰を実現するため、総力をあげて闘い抜くことを確認したうえで、以下申し上げる5項目が意思統一されました。

◆一点目は、「すべての組合は、賃金カーブ維持分を確保し、所得と生活水準の低下に歯止めをかける。危機を乗り越えるためにも「人への投資」が必要であることを訴え、それぞれの要求内容を踏まえ、賃金水準の復元・格差是正、体系のゆがみ等の是正を図っていく。

◆二点目は、5つの共闘連絡会議は、相互の交渉状況の共有化を図るなど連携を密に行なうとともに、最後まで粘り強く交渉を行うよう企業連・単組への指導を強化する。各構成組織・単組は、あらゆる状況を想定して、スト権の確立やその他の戦術が速やかにとれるよう闘争態勢の点検・整備をはかる。

◆三点目は、非正規労働者の労働条件改善に向けて、各構成組織・単組は、正社員と同時決着をはかる。

◆四点目は、改正労働契約法(18条および20条)と改正高年齢者雇用安定法の施行を(4/1)と目前に控え、各単組は、連合が作成した「両改正法の最終点検シート」も活用しつつ、法改正の成果を着実に職場に活かす取り組みを進める。構成組織は単組への指導を徹底する。

◆最後五点目は、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、産業実態に則した総実労働時間の短縮を推進し、雇用の維持・創出にもつなげる。  以上の5点です。

◆また、各構成組織の回答状況の集約と公表につきましては、第1先行組合回答ゾーンの最終日である15日に公表し、以降それぞれの「回答ゾーン」の最終日に合わせて開示することにしており、そのことを通じて「社会的波及効果」の最大化に努めることも確認されています。
以上が、ヤマ場に向けた取り組み方針です。

◆次に、運動の両輪としての取り組む政策・制度課題について若干の付言をさせて頂きます。

◆冒頭、森本会長からも触れて頂きましたが、「労働者保護を大きく後退させる労働規制の緩和の動き」があると言う点です。

◆安倍政権は、政府の規制改革会議のもとに、雇用分野の論議を行う「雇用ワーキンググループ」を設置し、有識者や経営者のみ(つまり労働側委員を排除した)委員構成で、6月に決定する成長戦略に盛り込む内容を審議していくことにしています。2月末に行われた会議では、雇用改革の方向性として雇用の柔軟性を高める施策の実行を掲げるとともに、「人を動かす」をキーワードに挙げて、「解雇ルールのあり方」として「解雇補償金制度の創設」が提示されるなど、連合として非常に懸念すべき方向性が打ち出されています。

◆労働者の犠牲のうえに成長戦略を描こうとしている安倍政権の真の姿をあぶり出し、広く国民・県民に訴えていかねばなりません。

◆連合本部は、3月6日開催の中央集会において、これに断固反対する「労働規制の緩和に反対する緊急アピール」を確認したところです。本集会においても、後ほど採択を求める「参院選必勝決議」にその想いを盛り込んでいますの、全体での意思統一と合わせ、満場一致での採択をご要請申し上げる次第でございます。

◆連合兵庫は、2013春闘勝利に向け、2月12日の闘争開始宣言以降、例年同様に兵庫県経営者協会との労使懇談会や、兵庫労働局に対する労働関係法制の周知徹底を求める要請行動などにも取り組んでまいりました。

◆本日以降最終盤に向けては、連合本部とも連携しつつ、「中小共闘センター」に結集する中小・地場組合間の「情報共有」の強化を通じて、地域における相場形成と波及に努めるとともに、各地域協議会とも役割分担しつつ、産別・単組激励行動による交渉の下支えなど、シッカリと役割を果たしてまいります。

◆最後になりますが、この総決起集会において「ゆるぎない決意」を全体で固め合い、最後まで力強く闘い抜くこと、そして、その勢いを、今後の連合運動の行く末をも左右する重要な意義を持つ7月の参議院選挙へと継承し、厳しい選挙情勢を跳ね返して「勝利」につなげるための諸取り組みに、全ての組織が総結集頂くことをお願い申し上げ、私からの報告・提起と致します。

連合兵庫2013春季生活闘争決議(案)
提案者  神戸地域協議会議長  松 村  英 洋

2013春季生活闘争は、いよいよ最大の交渉局面を迎える。
 世界経済の不確実性や内需の低迷、地域の疲弊など、取り巻く環境は厳しいが、働く者の生活はそれ以上に厳しく、我慢の限界を超えており、私たちは、働くすべての労働者の傷んだ雇用と労働条件の復元に全力で取り組み、デフレ脱却の突破口をきり開かなければならない。

 連合は、すべての労働者を視野に入れ、賃金の復元、格差是正、底上げ、底支えをはかると同時に、産業・企業を支える人財力・現場力を高めるための「人への投資」による、日本経済を自立的成長路線へ回復することが、幾多の困難を乗り越えるための唯一の道であり、交渉において矛盾した経営側の論理を断固として跳ね返せねばならない。連合に結集したすべての「共闘体制」を軸に、すべての組合がおかれた環境のもと、1%を目安に適正な配分を要求し、賃金・労働条件の復元と格差是正を実現すべく、不退転の決意で交渉を行う。今、優先されるべきは「国民が安心して働き暮らせる社会の再構築」であり、春季生活闘争における「運動の両輪」として「2013年度政策・制度実現へ6つの政策課題の取り組みと重点政策の取り組み」を強化し、すべての労働者・生活者の切実な想いを、国政をはじめ、あらゆる場面で訴えていかなければならない。連合兵庫は、構成組織・地域協議会の総力を挙げ一体となり、組織された労働者として、各単組・支部が職場で納得できる回答を引き出す闘いを進め、その成果を未組織労働者の賃金・労働条件へと波及させるとともに、地域社会に影響ある運動を展開し、『働くことを軸とする安心社会』の実現をめざし、最後まで闘い抜くことをここに決議する。

2013年3月9日
連合兵庫2013春季生活闘争政策・制度要求実現総決起集会

第23回参議院議員選挙必勝決議(案)
提案者  連合兵庫副会長  佐 藤  昌 一

 2009年の政権交代は、民主党を中心とする政権に、これからの日本 に安定した雇用システムや安心できる社会保障の仕組み、内需主導型の経済システムの再構築、安心と安全、そして公正と連帯を重んじる社会の実現を期待したものであったが、昨年末の総選挙の国民の審判は、再び政権を交代させる結果となった。

いま、問われているのは間違いなく、国民・県民が「安心して働き暮らせる社会」の再構築であり、政治の果たすべき責任は、社会の安定と自立的で持続可能な経済成長をはかることであり、社会保障制度等の充実である。

 しかし、安倍政権は、成長戦略の名のもとに解雇規制をはじめ、労働規制の緩和に大きく踏み出す姿勢を鮮明にしはじめている。
働く者を犠牲とする、こうした動きを断固として阻止しなければならない。

この夏の参議院選挙は、まさに生活者・働く者の視点にたった政治勢力の再構築と連合運動の真価と力量が試される、大きな「試金石」となる。

連合兵庫は、兵庫選挙区「つじ 泰弘」予定候補と構成組織の擁立する9名の比例予定候補の必勝が、その第一歩になると確信するとともに最大で最後のチャンスであることを確認する。

 私たち組織された労働者一人ひとりが確信をもって、連合のめざす『働くことを軸とする安心社会』の実現および「奪い合う社会から、分かち合う社会へ」を合言葉に、連合の推薦・支持する予定候補者全員の必勝をめざし、職場で、地域で支持・支援の輪を最大限に広げる行動を巻き起こすことを本集会において決議する。

2013年3月9日
連合兵庫2013春季生活闘争政策・制度要求実現総決起集会