2022年度 連合兵庫の重点政策
連合兵庫 2022年度 兵庫県に対する政策・制度要請 [重点政策]
〈経済政策〉
経済・産業政策と雇用政策の一体的推進および地域活性化への支援強化
①大都市一極集中による弊害の是正に向けて、地域の特性を活かしたまちづくりを推進することで、知識・産業集積等地域産業の活性化による地域雇用の増大をはかること。そのために、核となる企業への支援を行い、地域内・地域間の連携を強化して、地域産業としての国際競争力を高めること。
②総合戦略における、産業・雇用政策の実効性を確保するため、産官学金労言などによる推進組織を維持し、地域の多様な意見が反映される体制でのPDCAサイクルを通じ、新たに策定された総合戦略の個別施策の見直し・補強を行うこと。併せて、きめ細かな支援・助言を強化すること。
③若年層の就業意識の向上と勤労観の確立につなげるため地域の高校・大学 などにおいてインターンシップを修得単位として認める制度を普及させること。あわせて現場力を担う技術・技能人材の育成・継承の支援に資するため、地域の教育機関と企業とが連携したカリキュラムを強化すること。
〈福祉・社会保障政策〉
切れ目のない医療を提供する体制の確立
④新型コロナウイルス感染症の収束と社会経済活動の回復の早期実現に向けて、感染防止対策および差別・偏見防止対策を徹底・強化し、特に検査体制の充実と、検査機関、医療機関、保健所の連携、保健所の職員体制、医療・介護職場などにおける集団感染防止対策への支援などを強化すること。
⑤安心・安全な医療の提供に必要な医療従事者の人員体制を確保するため、処遇や勤務環境の改善を通じて、現に働く人の定着をはかること。また、医療人材の確保に向けて、処遇や勤務環境の改善、キャリアアップが可能な仕組みの確立、専門性の向上をはかる研修機会の拡充、研修中の欠員補充に資する事業をより積極的に実施すること。
〈交通運輸政策〉
持続可能で安心・安全な社会資本整備の推進
⑥「交通政策基本計画」を着実に実行し、経済・社会の変化に的確に対応するとともに、国民生活や経済活動を支える社会基盤として、持続可能で強い交通・運輸体系を構築すること。交通・運輸を担う人材の計画的な確保に向けて、資格・免許などの技術・技能の習得などの人材育成や同産業への就業を支援すること。
〈教育政策〉
教育の機会均等の保障と学校の働き方改革を通じた質の向上
⑦兵庫の教育をより充実させる観点から、学校現場の多岐にわたる業務の削減・見直しを早急にすすめ、教職員が子どもたちとゆとりをもって向き合う時間を確保すること。あわせて、ワーク・ライフ・バランスと人材確保の観点から時間外在校等時間の上限(月45時間、年360時間)を遵守すること。
⑧感染症対策ときめ細かな教育を実現する観点から、高等学校までの少人数学級の着実な推進と加配教職員の拡充をはかること。あわせて、すべての子どもたちがPC・タブレット端末を活用できる環境を実現するため、情報技術支援員(ICT支援員)の配置や家庭での通信環境整備など、自治体・学校への支援を充実すること。
〈ジェンダー平等政策〉
ジェンダー平等の視点に立った社会制度・慣行の見直し
⑨多様な家族のあり方やライフスタイルを認め合う社会の実現に向けて、選択的夫婦別氏制度の早期導入をめざしつつ旧姓・通称の使用範囲を拡大する。また、同性パートナーの権利の確保に向けて、当面の策として、パートナーシップ条例の制定を進めること。
〈地方分権〉
支え合い・活気あるデジタル社会の構築と地方分権改革の推進
⑩経済や産業の構造変革や、非常時におけるセーフティネットの構築に向け、AI・ IoTなどのさらなる活用をはじめ、経済・社会全体のデジタルインフラの整備を積極的に進めること。また経済・社会のデジタル化により、すべての産業に起こり得る様々な変化について、具体的な対応策を検討するための労使が参画する枠組みを早急に構築すること。
兵庫労働局への要請事項(重点政策)
〈経済政策〉
取引の適正化の実現に向けて
①新型コロナウィルス感染拡大による社会経済活動の停滞は、中小企業等、小規模事業者の弱者を直撃することを鑑み、付加価値に見あった取引の徹底や、すべての労働者の立場にたった働き方を実現するため、適正な取引慣行の一層の周知を強化すること。
〈雇用・労働政策〉
労働行政の強化
②新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う不合理な解雇等を防止する観点からも、労働関係法令を周知するとともに、雇用維持のための対応を徹底すること。やむを得ず解雇を検討する場合でも、解雇回避努力や労働組合との協議等、「整理解雇の4要件」に照らして厳格に判断すべきことを事業主に周知し、不適正な事案には速やかかつ厳正に対処すること。
働く者のための働き方改革にむけた監督体制の強化
③時間外・休日・深夜労働の削減や不払い残業の撲滅に向けて、長時間労働が行われている事業場や36協定を締結していない事業場に対する監督指導等を徹底し、法違反への適正・厳格な対応をはかること。
④「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」の趣旨を正しく周知し、労働時間把握・管理、費用負担、労働安全衛生や労働災害等について適正な対応がはかられるよう監督指導を徹底すること。
良質な雇用・就業機会の実現に向けた対応
⑤雇用形態や企業規模、在職・離職の違いにかかわらず、すべての働く者・働くことを希望する者が自己の職業能力を最大限に開発・発揮し、安定した質の高い雇用に就くことができるよう、適切な職業能力開発機会の提供をはかること。
⑥いわゆる「就職氷河期世代」に対し、当事者に寄り添った「オンライン相談サービス」や「職業紹介サービス」を展開するなど、職業能力開発や就労、社会とのつながりを持つことに関する情報提供や啓発を行うこと。
地域における高齢者の就労促進
⑦高年齢者雇用安定法で義務づけられている高年齢者雇用確保措置について、すべての企業において措置が講じられるよう、ハローワークなどの行政指導を強化すること。
最低賃金の履行確保の強化
⑧最低賃金の履行確保のための監督指導を強化すること。また、最低賃金額や最低賃金引き上げに向けた中小企業支援策の周知・徹底をはかること。
〈ジェンダー平等政策〉
あらゆるハラスメントの根絶とジェンダー平等の実現
⑨あらゆるハラスメントの根絶に向けて、ハラスメント対策関連法が定めるパワー・ハラスメントに関する事業主の防止措置義務をはじめとする新たなハラスメント対策について周知徹底をはかるとともに、2021年6月に発効するILO「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶」に関する条約の内容も踏まえ、ハラスメントのない就業環境の整備に向けた取り組みを推進すること。
男女が仕事と生活を調和できる環境の整備
⑩妊娠・出産・育児、介護により離職することなく、安心して働き続けられる環境の整備に向けて、育児・介護休業法をはじめ関係法令の周知・徹底をはかること。また、国や地方自治体、企業における両立支援制度の情報提供や相談窓口の設置などを促進すること。