主催者あいさつ
連合兵庫会長 辻 芳治
◆皆さん、新年あけましておめでとうございます。恒例の「連合兵庫2015新年旗開き」の開会にあたり、主催者としてのご挨拶を申し上げます。
◆さて、本年の旗開きは「結成25周年記念」と銘打って開催させて頂きました。
総評・同盟・中立・新産別のナショナルセンター分立時代から、全民労協、民間連合を経て、1989年(平成元年)の12月22日、官民統一による現在の「連合兵庫」が結成されました。
それ以来、多くの方々にご指導とご支援を頂いてきました。ここに改めて厚く御礼申し上げますとともに、幾多の困難を乗り越えて、労働戦線統一というまさに一大事業を果たされた先輩諸氏の高い志、情熱、そしてご尽力に改めて深く敬意を表する次第でございます。
◆連合結成から四半世紀の時が流れました。
一方、今年は戦後70年、阪神淡路大震災20年の節目でもあります。平和、民主主義、基本的人権の尊重、そして防災・減災への「備え」の重要性など、過去の反省から生み出された価値観や経験・教訓を、決して誤った方向に向かわせることなく、また、風化させることなく、確実に次世代に引き継いでいかなくてはなりません。
◆私たち現役世代が、自らの足元を確かめながら着実に前に進むためには、折に触れ、「連合結成の原点」に立ち返り、その歴史的意義や今日的な使命と役割を自覚し合うことが重要です。
これから先も時代は大きく変革していくでしょうが、私たちは、これまでの歴史と先輩諸氏の熱い志により受け継がれてきた連合運動の重みをシッカリと受け止めながら、様々な課題に果敢に挑戦を続けなくてはなりません。結成25年を経た節目の新年にあたり、そんな決意を皆様方と共に改めて固め合いたいと存じます。
◆さて、わが国においては、経済の成熟化、少子高齢化・人口減少、拡大する格差や貧困への対応、東京一極集中の克服を含む地方創生への対応など、社会の持続可能性にかかわる課題は山積をしています。いま必要なことは、強いものをより強くすることで成長をめざす「トリクルダウン型」の政策ではなく、社会のすそ野に光を当てた政策の着実な実行ではないでしょうか。
◆こうした中で行なわれた昨年末の衆議院総選挙は、大義なき延命のための解散とも言われましたが、与党が圧倒的な多数を維持し、一強多弱の政治状況が続くという残念な結果となりました。短期決戦となった師走選挙において、職場・地域でご奮闘頂いたすべての皆さんに改めて感謝申し上げます。
◆選挙結果を受け、安倍政権の暴走に拍車がかかる懸念を強くするところですが、過去最低の投票率が示すように、国民は与党に全権を委任したわけではありません。数の力で何事も一気呵成に進めるのではなく、選挙結果に表れなかった国民の声なき意思表示にも想像力を持って向き合い、丁寧な議論と国民的なコンセンサスづくりを最大限意識した政権運営が問われてくるものと考えるところです。
◆私たちが支援する民主党には、今月18日に選出予定の新代表のもと、挙党一致で、与党に対峙する政策体系の選択肢を国民に示し、堂々たる論戦によって政治に緊張感を生み出して頂きたい。そのうえで、国民の信頼を取り戻し「再生」を期すべく、奮起頂くことを期待するものでございます。
◆私たち連合は、引き続き、格差拡大と将来不安を助長する「労働者保護ルール改悪」阻止に向けて、民主党との連携のもと断固たる姿勢で取り組みを展開する覚悟であることを強調しておきたいと存じます。
あわせて、本年4月施行の統一地方選挙は、地方から政治の流れを変えるためにも重要な闘いとなります。後程、推薦候補の紹介と代表者から決意表明を頂くことにしていますが、組織内候補の完全勝利はもとより推薦候補の勝利に向けて、組織の総力で闘い抜き「働く者の底力」を示そうではありませんか。
◆次に、「2015春闘」について触れておきます。
2015春闘は、いわゆる「春闘」による賃金決定方式がスタートした1956年から数えて60回目の節目となります。時代局面ごとの課題に対応しつつ新たな試みにも挑戦し、社会的賃金決定のメカニズムを最大限機能させるための積み重ねでもありました。
◆2015春闘では、「賃上げ」「時短」「政策制度実現」を3本柱とし、とりわけ非正規労働者や中小企業で働く仲間の「底上げ・底支え」「格差是正」をより一層重視した取り組みを展開し、「デフレ脱却・経済の好循環実現」、働く者を起点とした経済再生の実現をめざす闘いにしなくてはなりません。
◆昨年来、「官製春闘」などと揶揄するマスコミ報道等もありますが、昨年も申し上げた通り、政府の発言や社会の雰囲気だけで賃金改善が実現するほど甘くはありません。あくまでも「労使自治」のもと、働く者の声を要求に集約し、地道で真摯な労使交渉・協議を積み重ねることでしか、展望は開けないことを肝に銘じ、最後まで総力で闘い抜くとの決意を固め合いたいと存じます。
◆次に、「40万連合兵庫」の実現をめざす組織拡大の取り組みです。
労働組合の組織率は、残念ながら昨年末に発表された調査結果においても前年を下回ってしまいました。全国的には0.2ポイント減の「17.5%」、兵庫県では、0.5ポイント減の「20,5%」という結果です。
しかし一方で、女性組合員、短時間雇用の組合員数は増加を続け、連合トータルの組織人員数は「684万6千人」と僅かながらも増加しました。連合兵庫は、若干の減少で「28万2,203人」となっています。
◆この結果は、2020年を目標年次とした「1000万連合」「40万連合兵庫」実現へのプロセスとしては厳しい現状と言えますが、構成組織・地域協議会そして連合兵庫が一体となった活動により、その成果が徐々に現れてきているのも事実です。
◆引き続き、日々の労働相談を通じた組合づくりに加え、経営者団体等に対して連合の考える集団的労使関係の重要性を伝える取り組みなど、今年も、三位一体総がかり体制のもとで「組織拡大」の取り組みを最優先課題に位置づけ、共に汗を流したいと考えていますので、格段のご理解・ご協力をご要請申し上げる次第でございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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