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連合兵庫2024新年旗開き開催

  • 場所:2024年1月9日(火)15:00
  • 時間:神戸メリケンパークオリエンタルホテル

連合兵庫 2024新年旗開き 年頭あいさつ

 皆さん、ご安全に! 2024年が幕を開けました。
 本年が、連合兵庫に集うすべての働く仲間にとって、無災害で、安全に働ける1年となりますことを、心より祈念する次第であります。
また、皆様におかれましては、決意も新たに、新年をお迎えになられたことと存じます。それぞれ決意を胸に、進取果敢に取り組まれる1年になりますことも併せ、ご祈念申し上げます。
 冒頭、「能登半島地震」被災地の復旧・復興支援にむけ、一言触れておきたいと思います。
 1月1日16時10分ごろ、能登地方を震源とするマグニチュード7.6、最大震度7の大地震が発生し、同時に大津波警報も発令されました。その後も、強い余震が繰り返され、各地で甚大な被害が生じています。
 この災害によってお亡くなりになられた方々に、謹んで哀悼の誠を捧げます。また、負傷された皆さん、住む家を失った皆さんに、心からお見舞いを申し上げます。そして、未だ安否のわからない方々の救出を切に願うものであります。
連合兵庫としても、義援金対応やカンパ活動はもとより、本部ならびに関係地方連合と連携し、復旧・復興への支援の取り組みを行っていきたいと考えて います。
 具体的な取り組みは別途ご相談させていただきますが、あらかじめ、全構成組織・地域協議会のご理解・ご協力をお願いしておきたいと思います。
さて、私たちは、2024~25年のスローガンとして、「社会を新たなステージへ、ともに歩もう、ともに変えよう ~仲間の輪を拡げ 安心社会をめざす~」を掲げ、働くことを軸とする安心社会の実現にむけ取り組むことを確認しました。
 年頭にあたり、とりわけ具体的な取り組み4点について、皆さんと思いを一つにしたいと思います。

1点目 「2024春季生活闘争」

 わが国の労働環境は、20年以上にわたり賃金水準は低迷し、そのなかで不安定雇用の拡大と中間層の収縮、格差の拡大と貧困層の増加が進行しました。
 私たちがめざしている「働くことを軸とする安心社会」を実現するには、こうした流れを変え、「社会全体の生産性の伸びに応じて、賃金の中間値を引上げる」、「賃金の底上げ・格差是正をはかり、中期的に分厚い中間層の復活と貧困層の解消をめざす」ことが重要です。
私たち連合は、2024春季生活闘争を3度目の「未来づくり春闘」として取り組むことを決めました。
おさらいになりますが、「未来づくり春闘」とは、経済成長や企業業績の後追いではなく、産業・企業、経済・社会の活力の原動力となる「人への投資」を起点として、ステージを変え、経済の好循環を力強く回すことをめざす取り組みです。
 輸入物価も国内物価も、2021年3月に前年同期比プラスに転じて以降、物価高が止まりません。しかし、経済成長にとっては、物価高そのものがすべて悪いわけではなく、物価高に負けない賃上げを伴うことこそが重要です。
 その意味で、長い間、賃金が上がらないという日本の負の構造を、昨年の春季生活闘争は、「賃金は上げることができる」という事実をつくることができた、まさにターニングポイントといえる取り組みになりました。
 引き続き、未来づくり春闘に取り組むことによって、この「賃金が上がった」というステージにとどまるのではなく、経済の成長とともに、「賃金は上がり続ける」ことを根付かせ、経済も、賃金も、物価も安定的に上昇するステージへと転換していかねばなりません。
 そのカギを握っているのは、企業数の99.7%、従業員数の7割を占める「中小企業」で賃上げが実現できるか否かです。中小企業の経営の皆さんからは、「無い袖は振れない」という声も聞かれます。原資がなければ賃上げできないのは当然のことです。サプライチェーンのなかで、原材料やエネルギー高騰分のみならず、労務費を含む価格転嫁が行われるか否かが、中小企業での賃上げ実現を左右することになります。
 昨年11月15日、中央では「政労使の意見交換」が開催され、市場の番人・競争の番人と言われる公正取引委員会委員長から「わが国の雇用の7割を占める中小企業が、労務費を適切に転嫁できるよう、取引環境を整備することが重要と認識している」との見解が示されたようです。そして、11月29日に内閣官房・公正取引委員会連名で「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が示されました。
 こうした中央での経過も踏まえ、兵庫においても、今月末に、地方版の公労使の意見交換会を開催することにしています。連合兵庫としては、継続した賃上げ実現にむけた環境を整えるとの思いをもって、賃上げや価格転嫁の必要性などを訴えて参ります。
 正念場となる2024春季生活闘争、経済も、賃金も、物価も安定的に上昇するステージへと転換していくために、連合兵庫に結集する組織の総力をあげて取り組むことを、みなさんと誓い合いたいと思います。

2点目 「集団的労使関係の追求と組織拡大」

 12月20日、「2023年労働組合基礎調査結果」が公表されました。雇用者数は、全国で6,109万人、そのうち労働組合員数993.8万人で、推定組織率は16.3%です。対前年で、雇用者数は61万人増え、組合員は5.5万人減少、推定組織率は0.2%低下という状況になりました。
 このうち、連合の組合員総数は692.9万人で、前年比2.3万人減という結果でした。
それにしても、従前から労働組合の組織率の低さが指摘されるなかで、さらに低下し、集団的労使関係に守られない労働者が増加していることに、強い危機感を持たねばなりません。
 労働者は、「誰もが、将来を描ける環境で安心して働きたい」と望んでいます。そしてその実現には、労使対等の立場である「集団的労使関係」のもとで、働く人たちの意見や要望を職場に反映させていくことが必要です。
 欧州先進国のような労働協約の拡張適用がなされない日本では、たとえば連合の各労組が春闘で成果を出しても、未組織労働者には、その成果が直接反映されないことから、益々格差はひろがります。私たちのめざす、経済も、賃金も、物価も安定的に上昇するステージへと転換するためにも、集団的労使関係に守られる労働者を増やすことが重要です。
 私は、労働組合に属さない労働者が8割を超える現状について、その労働者の多くが労働組合を必要としていないのではなく、日本全体で、集団的労使関係や労働運動の意義を、いまだ共有するまでには至っていない「未成熟な社会」だと考えています。
 連合兵庫を構成するすべての組織が、集団的労使関係の輪の拡大を追求し、そして連合兵庫の組織拡大につなげる年にしたいと思っています。

3点目 「ジェンダー平等・多様性推進」

 女性だけ特別枠を設置するのはジェンダー平等に反するのではないのか、女性参画という「数を増やすこと」が目的になっているのではないかといった声もあることは承知しています。
 決して女性参画の数を目的としているのではなく、また女性に都合の良い社会や職場をめざしているのではありません。
労働組合の意思決定機関では、まだまだ男性が中心的存在になっているのが実態で、女性の声が様々なステージで届きにくかったり、意思決定に反映されなかったりします。
 男女が平等に参画した体制を確立することで、扱われる問題や視点の幅を広げ、男性だから、女性だからといった性別あるいは性的指向に関わらず、一人ひとりが、その存在を尊重され、能力を発揮し、自己実現ができ、社会に参画することのできる社会、女性が働くうえでの格差や不条理のない職場をめざすものであることを、あらためて共有したいと思います。
 今年は、そのために進めている「ジェンダー平等推進計画フェーズ1」の仕上げの年です。すべての構成組織・単組支部で、進捗状況をチェックし、計画実現をめざしましょう。

4点目 「第50回衆議院選挙」

 前期2年間に取り組んだ国政選挙では、構成組織・産別によって支持政党が分かれているなかで、大変なご苦労をおかけすることになったと思います。残念ながら、真の意味での組織一丸となり得るまでには至らず、総じて厳しい結果でした。
 来る衆議院選挙の「連合方針」は、支援政党が分かれている実態を踏まえ、働く者・生活者の立場の政策を最も共有し、その実現に向けて連携しているのは立憲民主党と国民民主党だと確認したうえで、そのなかでも「人物重視・候補者本位を基本に臨む」ことにしました。
 連合兵庫も、この方針のもと、政治センター幹事会で「人物」を見極め、政策協定を締結し、全組織で構成している執行委員会で審議・決定する、その上で本部に上申し審議・決定という過程を経て、推薦を決めています。
 後ほど紹介させていただくことにしていますが、これまで、1区いさか氏は「支持」、2区ふなかわ氏・4区今泉氏・6区桜井氏・10区おき氏の「推薦」を決めました。さらなる候補者擁立について、両党県連とも連携してまいります。
 「人物重視・候補者本位」に重きをおき、こうしたプロセスを経て推薦するか否かを判断していることをご理解いただき、連合兵庫推薦候補予定者には、全組織、一枚岩での取り組みをお願いいたします。

結び

 「豊かさを享受するうちに、私たちはいつのまにか連帯や協力など、野暮ったい価値だと軽視するようになった。働く者は弱い者であるという本質を忘れてしまっている。
 しかし、弱い者は弱いがゆえに、強く連帯し、協力することによってこそ、働く者はしなやかに生きてゆくことが可能になる。
弱い者の連帯の組織である労働組合が担う根本的な使命は、社会の不条理に対して異議を申し立てることにある。
組合員が自分たちのために連帯するだけでなく、社会の不条理に立ち向かい、自分よりも弱い立場にある人々とともに闘うことが要請されているのである。」
 これは、20年前にまとめられた、連合評価委員会最終報告の一節です。
 自己責任論が強調され、分断・孤立が進み、連帯の喪失が蔓延するなかにあって、不安定雇用の拡大、格差の拡大、貧困の固定化、セーフティーネットの脆弱さなどの構造的な課題を抱える現下の情勢だからこそ、連合兵庫は、改めて連合評価委員会の「弱い立場にあるすべての労働者が、協力、連帯してこそ不条理に立ち向かえる」という提言を戒めとし、働くことを軸とする安心社会をめざして参ります。
 本年も、引き続きのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、主催者挨拶といたします。
 ともに頑張りましょう! ありがとうございました。

以上

2024年1月9日
日本労働組合総連合会兵庫県連合会
会長 福永 明

次第

開会

年頭挨拶
主催者代表
福永明 連合兵庫会長

来賓挨拶(敬称略)
片山 安孝 兵庫県副知事       
今西 正男 神戸市副市長
井坂 信彦 立憲民主党兵庫県総支部連合会 代表
川内 清尚 国民民主党兵庫県総支部連合会 代表
住山 弘司 こくみん共済coop関西統括本部兵庫推進本部 本部長

鏡開き(敬称略)
福永 明   連合兵庫会長
片山 安孝 兵庫県副知事
今西 正男 神戸市副市長
金刺 義行 兵庫労働局局長
成松 郁廣 兵庫県経営者協会会長
福山 香織 連合兵庫女性委員会委員長

森戸 卓也 連合兵庫会長代理
石原 利男 兵庫県社会保険労務士会副会長
大濱 幸一 近畿労働金庫兵庫地区事務局事務局長
住山 弘司 こくみん共済coop関西統括本部兵庫推進本部本部長
坂本 三郎 部落解放同盟兵庫県連合会委員長
深江 理紗 連合兵庫青年委員会委員長

乾杯挨拶
那須 健   連合兵庫事務局長

~~~~懇   談~~~~

閉会挨拶
森戸 卓也 連合兵庫会長代理