女性委員会主催 2015男女共同参画研修会を開催
- 場所:神戸市 三宮センタープラザ西館
- 時間:2015年6月27日(土)13:30~
男女雇用機会均等法から制定から30年
今、あらためて 職場・家庭・地域の男女共同参画について考える
連合兵庫女性委員会2015男女共同参画研修会を開催!
◆連合では、毎年6月を『男女平等月間』と位置づけ、男女がともに働きやすい職場、だれもが安心して働き続けることのできる職場の実現をめざして、さまざまな取り組みをすすめています。
◆連合兵庫女性委員会(委員長:釜口清江・兵教協)は、6月16日に兵庫労働局雇用均等室に対しておこなった「働く女性の活躍推進に関する要請」行動につづいて、6月27日(土)の午後1時30分より、神戸市の三宮センタープラザ西館の会議室で、女性委員会の役員を含む連合兵庫・地域協議会の男女組合員50名をあつめて、2015年度の「男女共同参画研修会」を開催しました。
◆今回の研修会は、今年で男女雇用機会均等法の制定から30年目を迎えるにあたり、均等法の成り立ちと返還を振り返り、働く女性を取り巻く環境の変化や現状について把握するとともに、すべての人が働きやすい職場づくりには何が必要なのかなどについて考える内容で企画しました。
◆研修会は2部形式でおこない、第1部で京都産業大学・経済学部教授の藤野敦子先生より、『日本の男女格差はなぜ解消されないのか? ~ 均等法制定30年を振り返って~』と題した基調講演を聴いたのち、第2部では、参加者たちが6つのグループに分かれてグループ・ディスカッションをおこない、基調講演の感想に加えて、それぞれの職場での男女の働き方の現状などについて、意見交換をしました。
◆つづく意見発表では、均等法施行により働きやすくなったという声がある一方で、女性の管理職の少なさや、女性・男性本人の仕事に対する考え方の違い、職務内容や待遇の男女差などについて意見が出され、理想の職場・社会の実現には、まだまだ課題が多いことが浮き彫りとなりました。
◆研修会は、滝本幹事:フード連合(キッコーマン労組)の司会・進行ですすめられ、まずはじめに、主催者を代表して釜口委員長:兵教協があいさつに立ち、本研修会の趣旨とともに、働く女性を取り巻く政府、行政等の法案や取り組み状況のほか、連合兵庫がすすめている第3次男女平等参画推進計画への協力などについて述べました。
主催者あいさつ 連合兵庫女性委員会委員長 釜口 清江(兵庫県教職員組合) ◆本日はお忙しい中、女性委員会が主催しました男女共同参画研修会にご参加いただきありがとうございます。 ◆特に今年は、女性の働き方の改革に大きな意味をもつ「男女雇用機会均等法」の制定から30年という節目の年であるため、「男女雇用機会均等法施行から30年、あらためて職場・社会の男女共同参画を考える」を研修会のテーマとしました。講師の藤野先生のご講演をいただき、改めて今を見つめ直す機会をさせていただきたいと思います。 ◆さて、男女雇用機会均等法については、この後の講演で藤野先生からお話がありますので、私は、現在審議のすすむ法案の一つについてお話しさせていただきます。 ◆「輝く」「輝く」「活躍」とこう何度も言われると、思わず考えてしまいます。女性は、そんなにも輝いていないのでしょうか、活躍できていないのでしょうか。男性は、すべて輝いているのでしょうか。何をもって「輝く」のか、「活躍」というのでしょうか。 ◆先日衆議院で可決された「労働者派遣法」の改悪は、企業にとって“安くて使い勝手のよい”派遣労働を一層拡大させようとするものです。“生涯派遣で低賃金” の派遣労働者を拡大させ、雇用不安を増大させる内容です。依然として、派遣で働く女性は多く、男女間の賃金格差にもつながっていきます。その他にも労働者保護ルールの改悪がすすめられようとしています。 ◆兵庫県においては、男女が共に仕事と育児の両立ができる社会の形成を目指して制定された次世代育成支援対策推進法が10年間の延長になったことを受け、「第5次男女共同参画 兵庫県率先行動計画」が策定されました。 ◆また連合兵庫としても、13年11月に「第3次男女平等参画推進計画」を策定しました。「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現と女性活躍の推進」、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」、「多様な仲間の結集と労働運動の活性化」の3つの目標をリンクさせながら、誰もがくらしやすい「男女平等参画社会」の実現をめざしています。 ◆具体的な数値目標については、今年度、運動方針に男女平等参画推進と先ほどの「3つの目標」のとりくみを明記する組織が100%達成となっています。皆さんの組合では明記されているでしょうか。 ◆女性を企業の幹部ポストに登用することにより、企業の業績が向上するという調査結果があります。女性役員がいない企業よりも、女性役員が複数いる企業のほうが、男性のみの企業よりも営業利益が56%高いとの結果がでている調査もあります。 ◆私たち女性委員会は、連合兵庫、連合兵庫男女共同参画推進委員会と連携をとりながら、労働組合活動への女性の参画を一層すすめていきたいと思います。 |
◆つづいて、連合兵庫を代表して、連合兵庫男女共同参画推進委員会の篠原委員長(連合兵庫副会長:フード連合)が、あいさつに立ちました。
連合兵庫代表あいさつ 男女共同参画推進委員会委員長 篠原 智彦(伊藤ハム労働組合) ◆日頃より、女性委員会の皆様には、働く女性の立場から、女性の活躍推進にご尽力いただいておりますことと同時に、連合兵庫の男女共同参画推進課題に対しても、ご理解とご協力をいただいておりますことに感謝申し上げます。 ◆6月は、連合の「男女平等月間」ということで、各地方連合会では、この間にこのような研修会や学習会の開催、男女平等推進に関する課題の抽出、行動計画の検討などがおこなわれています。この期間に、男女共同参画状況を振り返るとともに、皆様それぞれのお立場で、課題の共有や解決に向けた取り組みの点検などを、お願いしたいと思います。 ◆「男女平等」というものの捉え方はさまざまあると思いますが、これまでは、男性の基準に女性があわせていくというものだったのではないでしょうか。 ◆男女平等課題については、少しずつ成果が出てきつつありますが、ご参加の皆様には、これからも引き続き、各組織での取り組みを続けていただきますよう、お願い申し上げます。 |
◆つづいて、日頃より連携させていただいている民主党兵庫県連の男女共同参画委員会委員長の平木:神戸市議会議員より、連合兵庫、連合兵庫女性委員会への連帯のごあいさつをいただきました。
来賓あいさつ 民主党兵庫県連 男女共同参画委員会委員長 ◆連合兵庫女性委員会の皆様とは、学習会や意見交換会をつうじて、連携をとらせていただいております。 ◆本日の研修会のテーマは、均等法から30年ということですが、私がサラリーマンをしていた頃は、男女雇用機会均等法はありませんでした。私は、この法律をつくることが悲願であった時代に、女性として、男性と同じ仕事をするということがどういうことなのか、壁にぶつかりながら仕事をしてきた世代です。 ◆社会に出て働くということ、社会に参画していくということ、そして、自分の職場・組合でどう行動していくのかということに対して、自ら意識を持つことのできる若い世代をつくっていくために、連合の皆様方とともに、取り組みをすすめてまいります。 |
<研修会 第1部 基調講演>
<研修会 第2部 グループ・ディスカッション、意見発表、講師コメントなど>
◆主な意見交換 ①藤野先生の基調講演を受けて
(質問) 均等法等の法改正についての経営者の意識はどうなっているのか (応答) 均等法や育児・介護休業法などは何度も改正してきているが、その改正内容を知らない経営者は多く、職場に改正内容が反映されていないこともある。 (質問) 「103万円の壁」があって、それ以上に働きたくない女性もいるのでは (応答) 配偶者控除や103万円の壁、130万円壁など、男性(夫)の収入にあわせて女性が働くことに制限がついていることが問題で、本当にその人が短く働きたいと思っているとは限らず、制度にあわせて働き方を制限せざるを得ない場合もあるのではないか。 (質問) 長時間労働について (応答) 長時間労働に対して日本の企業の場合は、金銭(手当)で報いるということが多いが、ヨーロッパなどでは、 金銭ではなく、「時間」を付与するという方法もあり、労働者自身がどちらかを選択できるという制度がある。 |
◆研修会を締めくくるにあたって、安樂事務局長:UAゼンセンが研修会のまとめと閉会あいさつをおこない、全日程を終えました。
閉会あいさつ 連合兵庫女性委員会事務局長 ◆ご参加の皆様、たいへんお疲れ様でした。 ◆先生のお話の中で、「なぜ女性は差別されてしまうのか」というところで感じたことは、これは差別問題全般にいえることですが、差別する側、される側双方に問題があるということです。 ◆また、日本の男女格差是正のためには、主には、使用者側の差別意識によって男女差別はおこっている可能性があるので、均等法のような法の強制力によって、男女平等を実現させていくことが重要あるとのことで、法律の策定・改正にむけた積極的な働きかけなど、私たち労働組合が声をあげていくことが必要です。 ◆第2部のグループ・ディスカッションでは、それぞれのグループで活発な意見交換をしていただきました。各グループからは、労働条件をはじめ、さまざまな職場での悩みなどが発表されましたが、藤野先生のコメントを受けて、私たちがこれから何をするべきかということが、明確になったのではないかと思います。 ◆本日の研修会をつうじて、感じたこと、発見したことなどに加えて、男女格差の現状について共有できたことを職場に持ち帰っていただき、すべての人が輝けるように、活動の輪を広げていって下さい。 |