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女性委員会主催 2017男女共同参画研修会を開催(内容掲載)

6月は男女平等月間です

~ 誰もが働きやすい職場にしよう!職場の人権について考える~

連合兵庫女性委員会 2017男女共同参画研修会を開催

(内容掲載)

◆研修会は、第1部・2部をとおして嶋田 千江子:幹事(電機連合)の司会・進行ですすめられ、まずはじめに、主催者を代表して釜口 清江:委員長(兵教協)があいさつに立ち、本研修会の趣旨とともに、6月の男女平等月間における女性委員会の取り組み内容の紹介や、女性の活躍推進や仕事と生活の両立支援にかかわる法改正の動向について説明のほか、連合兵庫がすすめる第3次男女平等参画推進計画への協力についても、理解を求めました。

主催者代表あいさつ

連合兵庫女性委員会委員長  釜口  清江(兵庫県教職員組合)

◆連合では、職場における男女平等意識の共有化をはかるため、毎年6月を「男女平等月間」として位置づけ、運動をすすめてきました。連合兵庫としても、すべての組合員を対象とした「男女共同参画研修会」を開催し、今回も男性17人を含む44人の方にご参加いただいています。

◆私たち女性委員会は、「男女平等月間」のとりくみとして、この研修会の他、2つの活動を行っています。1つは、女性のための労働相談です。今回は6月12日・13日に実施し、職場の問題に悩む女性からの電話相談が寄せられました。詳細は今後まとめて報告いたしますが、ほとんどの相談者の職場には組合がありません。または非正規のため加入できていないようです。妊娠を理由とした退職の強要など不利益取り扱いといった明らかな法律違反すら相談できずに悩んでおられました。連合兵庫として情報提供や支援にとりくみましたが、やはり職場に組合のある意味が再確認できます。

◆2つめは、兵庫労働局、雇用環境・均等部への「雇用における男女平等に関する要請」です。毎年、事業主への法律や制度の周知徹底、相談窓口の充実などを要請していますが、今年は特に「改正育児・介護休業法」の周知や「女性活躍推進法」の具体的推進を要請しました。

◆1月の「育児・介護休業法」の改正内容はご存知でしょうか。介護休業は3回まで分割取得が可能になり、介護休暇は半日単位での取得、介護のための労働時間短縮も可能となりました。育児同様に時間外労働も制限されることとなりました。
  育児に関しては、有期契約労働者の育児休業の取得要件緩和、子の看護休暇の半日単位での取得、育児休業等の対象となる子の範囲が拡大されました。また、男女雇用機会均等法も改正され、出産・育児にかかわるハラスメントであるマタハラ・男性の育児にかかわるハラスメントであるパタハラの防止措置も新設されました。

◆さらに10月からは、新たな法改正があります。現行では1歳6か月までの育休が、保育園などに入れない場合、2歳まで再延長できるようになります。男性については、配偶者の妊娠・出産に対して育休等の制度周知が事業者の努力義務となります。本日お越しの企業や職場では、法律を上回る制度を勝ち取ってこられたところもあるかと思いますが、これら新しい法律にもとづき、育児や介護をしながら働き続けられる職場づくり、男女共同参画をすすめていきましょう。

◆兵庫労働局との意見交換の場では、働き方改革も話題になりました。長時間労働の是正や誰もが活躍できる社会の実現に向け、最重要課題として女性の活躍が運営方針に明記されていました。私もそう確信しています。
これまで、長時間労働を必要なものと肯定し、その役を男性が担うために、女性が家庭で家事や育児・介護に専念させられてきました。時代が変わり、少しずつ、女性が働くことは当たり前となってきました。さらには、少子高齢社会がすすみ、労働力が足りなくなってきたために、女性にもっと働いてもらわなければならなくなりました。そのとき、家事や育児・介護は誰がするのか、それが今、大きな社会問題になっています。
これまで固定的な性別役割分担意識のために、働くことを制限され、育児や介護を担ってきた女性が、育児や介護と仕事を両立できる働き方が確立されれば、男性も育児や介護をしながら働き続けることが可能になるはずです。今後も兵庫労働局をはじめ、関係団体と意見交換をしながら男女平等政策をすすめていきたいと考えています。

◆連合兵庫としても、13年11月に「第3次男女平等参画推進計画」を策定し、すでに3年が経過しました。「ディーセント・ワークの実現と女性活躍の推進」、「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」、「多様な仲間の結集と労働運動の活性化」の3つの目標をリンクさせながら、誰もがくらしやすい「男女平等参画社会」の実現をめざしてきました。
男女が平等・対等で人権が尊重されること、誰もが社会の構成員として、さまざまな分野への参画の機会が保障されていること、その上でそれぞれが役割と責任を分かち合う社会をめざしています。

◆取り組みが始まってすでに3年以上経過していますが、男女平等参画推進、女性役員の選出、役員・機関会議の女性参画率30%達成は十分ではありません。女性組合員の割合は産別によって異なりますが、それぞれの実態に合わせて、女性が意見を言う場に参画していきましょう。
女性役員がいない企業よりも、女性役員が複数いる企業のほうが、男性のみの企業よりも営業利益が56%高いとの結果がでている調査もあります。

◆そして、本日の研修会では「誰もが働きやすい職場にしよう!職場の人権について考える」をテーマとしました。過労による自死など、働き方改革が大きな社会問題となり、連合も長時間労働是正などにとりくんできました。
しかし、これは単に業務を改善することや両立支援制度を拡充することで解決するわけではありません。長時間労働を強いる職場のパワハラや制度や人間関係にも課題があると考えられます。女性委員会ではセクハラやマタハラ防止など、さまざまなハラスメント対策によって誰もが働きやすい職場づくりにとりくんできました。男女雇用機会均等法の指針の改正などによって、その対策がすすんでいます。

◆さらに、昨年、連合が初めて行った調査結果により、LGBTの職場での人権が守られていない現実があきらかとなり、LGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティの職場でのハラスメントについても人権課題としてとらえていく必要があると考えました。性別にとらわれず自分らしく生きることは、誰にも与えられている権利です。

◆女性委員会は、性差別をなくし、男女平等社会の実現をもとめてきました。だからこそ、女性委員会からとりくむことが重要だと考えています。
職場や社会におけるセクシュアル・マイノリティの人権課題を学び、労働組合として、人として、私たちがどうとりくむべきか考える研修会になればと思います。講師の清水先生にご講演をいただき、改めて今後を考える機会とさせていただきたいと思います。

◆私たち女性委員会は、連合兵庫、連合兵庫男女共同参画推進委員会と連携をとりながら、労働組合活動への女性の参画を一層すすめていきます。そして、性別にとらわれず、誰もが働きやすい職場環境をつくるために、労働組合も役割と責任をともに分担していきましょう。
その人自身の能力や特性を見る前に、「男性だから」「女性だから」と区別されることや「LGBTだから」ということで、苦しむことがなくなるように。
本日の研修での学びや気づきを生かし、男女がともに働きやすい職場づくり、男女平等社会の実現をめざし、ともにがんばりましょう。

◆つづいて、連合兵庫を代表して、連合兵庫男女共同参画推進委員会の丸田  聡:委員長(連合兵庫副会長・フード連合)が、あいさつに立ちました。

 
連合兵庫代表あいさつ

男女共同参画推進委員会委員長  丸田   聡(フード連合  白鶴酒造労働組合)

◆釜口委員長をはじめとする女性委員会の皆様には、日頃より、男女共同参画の推進にむけてさまざまな取り組みをすすめていただいていることに、感謝申し上げます。
6月は、連合の「男女平等月間」ということで、各地方連合会では、研修会や学習会の開催、男女平等推進に関する課題の抽出などがおこなわれています。この期間に、男女共同参画状況を点検し、それぞれの立場で、課題の共有や解決に向けた取り組みをお願いしたいと思います。

◆内閣府は、「男女共同参画社会基本法」の公布・施行日である1999年6月23日を記念して、2001年より6月23日~29日の1週間を「男女共同参画週間」と設定し、男女共同参画社会基本法について理解を深めることを目指しています。
世界経済フォーラムが2016年10月に発表した各国の男女間格差を示す「ジェンダーギャップ指数2016」において、日本は、144ヵ国中111位と過去最低の水準となりました。G7(先進7か国)では、もちろん最下位、有力新興国とされるBRICS(ブリックス)のブラジル、ロシア、インド、中国よりも下位となっています。特に、「男女の所得格差」が75位から100位と急落しており、いっこうに改善されない男女の格差が明らかになりました。

◆フード連合では、今年の1月下旬から2月中旬にかけて、女性組合員意識実態調査を実施し、900名弱の女性組合員の皆さんからさまざまな意見が寄せられました。調査では、育児や介護、労働時間など、家庭と仕事の両立に対する意見が多く寄せられ、負担が女性に偏っている現状が明らかとなりました。
こうした状況をふまえると、今、労使で取り組みを進めている男女共同参画の施策が、「残業をいとわず働く人たち」を前提につくられたルールとなっていないか、家庭と仕事を両立している人に不利なルールになっていないかなどをあらためて考えて働き方を見直さなければ、本当の男女共同参画は絶対に実現できません。

働くすべての人が同じステージに立てるような“フェア”なルールを構築し、「お互い」に「思いやり」をもって運用することが、男女共同参画社会実現へのルートであると思います。

◆男女共同参画社会の実現は、女性だけの課題ではありません。男女共通の課題であります。だからこそ、皆さん一人ひとりが取り組みを積み重ねることが重要です。男女共同参画に関する課題については、少しずつ成果が出てきつつありますが、まだまだ道半ばの状況です。
本日ご参加の皆さまには、これからも引き続き、各組織での取り組みを継続していただきますようお願い申し上げます。

◆つづいて、日頃より連携させていただいている民進党兵庫県連の男女共同参画委員会委員長の平木 博美:神戸市議会議員より、連合兵庫女性委員会への連帯のごあいさつをいただきました。

来賓あいさつ

民進党兵庫県連 男女共同参画委員会委員長

神戸市議会議員  平木 博美

◆連合兵庫女性委員会の皆様とは、意見交換会などの機会をつうじて、日頃から連携をとらせていただき、男女平等に関する課題等について、認識共有をさせてもらっております。

◆6月が男女平等月間ということですので、私からは、男女平等に関するいくつかのデータをご紹介させていただきたいと思います。
1991年に全国で初めて女性の市長が誕生したのは、兵庫県の芦屋市でした。そして、その2年後の1993年には、女性で初めて、兵庫県出身の土井たか子衆議院議員が第68代の衆議院議長に就任しました。そしていま、兵庫県出身の元衆議院議員の小池百合子さんが、東京都知事になっておられます。このように、兵庫県は、女性が活躍してきた土壌があります。

◆しかし、現在、兵庫県選出の国会議員17名のうち、女性は1人であり、兵庫県議会議員については、87名中、女性は11%で、私の所属する神戸市議会議員については、69名中、13名と、20%を切っています。女性の参政権が認められてから70年となりますが、女性議員は依然として少ない現状です。

の衆議院議員選挙での女性議員の割合が8.4%だったのに対して、現在の女性議員の割合は9.3%しかなく、70年前と比べても0.9%しか増えていない現状です。このように、日本では、女性の意見が重要な意思決定の場に参画できていないのです。男性が女性の思いを代弁するのではなく、女性自身の声を届けることが重要です。

◆このような状況をふまえ、いま、国会では、超党派で、国会議員候補者数の男女のバランスを考え、女性の候補者を増やしていこうという話し合いも始まっています。また、兵庫県内でも、民進党兵庫県所属の北野 聡子議員が宝塚市議会の副議長に、川原田 弘子議員が神戸市議会副議長になるなど、女性議員の活躍の場も広がりつつあります。

◆職場や労働組合でも、女性役員を増やし、女性の声が届くようにしていくことが求められていますし、各自治体・議会においても、選挙等をつうじて、社会全体に女性の視点を活かしていきましょう。

◆本日の研修会が、女性、男性双方にとって実り多いものとなりますことを願っております。

<研修会  第1部  基調講演>

「 自分らしく生きる  ~ 性別違和を乗り越えて ~ 」

講師:一般社団法人  日本LGBT協会

代表理事  清水 展人

◆基調講演は、家族の中で一人だけ違う毛色に産まれついた「あかねこ」が主人公の絵本、「わたしはあかねこ」の朗読から始まり、緊張していた参加者たちは、先生の優しい声に引き込まれていきました。

◆つづいて、LGBT関する基礎知識などをクイズ形式で楽しく学んだあと、女性として生まれた清水先生ご自身の生い立ちから、性別違和に悩みながら紆余曲折を経て、男性として生きていくことを決心するまでの道のりについて語り、社会の中での性的少数者の生きづらさについて理解を求めました。

<研修会  第2部  グループ・ディスカッション、意見発表、講師コメントなど>

◆主な意見交換内容      ① 清水先生の基調講演を受けて   感想、質問など

                                  ② 職場等でのLGBTへの対応、現状について

                                  ③ 労働組合としてできることは?   など

◆意見発表から

LGBTについての講演を初めて聴いたので衝撃を受けたが、考えさせられることも多く、若い世代の参加者からも、このような研修会に参加できてよかったとの声があがっていた。

LGBTの方の割合が13人に1人ということで、私たちの身近にも悩んでいる人がいるということが分かった。短時間の話し合いでは結論はでないが、労働組合としてできることは何かを考えるきっかけとなった。

学校現場などでは、まだまだ「性別」に対する考え方が古いと感じている(男らしく、女らしくなど)。LGBTについて知識を広げ、偏見をなくしていくことが大切だ。労働組合として、相談窓口をつくってはどうか。

トイレの問題など、当事者は悩んでいると思うので、寄り添わないといけないと思う。子どもの頃から、「性」にはいろいろあるんだということを学ぶ必要があるのでは。職場等でも、LGBTに関する研修会をするなど、自主的にすすめていきたい。

グループの中に、実際に、職場にLGBTの方がおられ、初めての経験に戸惑いながらも、同じ職場の仲間として対応しているというケースがあった。LGBTの方については、カミングアウトして理解を求める人もいれば、そっとしておいてほしいという人もいると思う。私たちは、どのように対応していくのがいいのか。

以前は見過ごされていたセクハラ、パワハラなどについても、今は認識が広まってきている。LGBTについても知識を広めていき、周りの人の思い込みをなくし、意識を変えていく活動が必要では。社会でも職場でも「あたりまえ」になっていけばいいと思う。

◆講師コメント

職場にLGBTと思われる方がいた場合、どのように対応したらいいのか、また、本人がカミングアウトするのが難しそうな場合、周りからアクションをおこした方がいいのかということに関しては、無理やり聞き出すこと(アウティング)は避けてほしい。自分自身の経験から、そっとしておいてほしい気持ちと、自分から話したいという気持ちとの間で揺れ動いていたように思う。
職場では、今回のような研修をつうじて、LGBTの方の状況について理解した上で、
上司、同僚等が、LGBTについて関心をもっていること、知識があるということを普段の会話や態度で示し、
見守っていてほしい。学校であれば、「学級だより」のような新聞や、企業等のHPやプレス発表などの機会を使ってLGBTについて発信することも有効。LGBTのシンボルマークである「虹(レインボー)」をあしらったグッズなどを使う という方法も効果があるので、当事者が相談しやすい環境をつくっていただきたい。

◆最後に、研修会を締めくくるにあたって、安樂 雅枝:事務局長(UAゼンセン)が、研修会のまとめと閉会あいさつをおこない、全日程を終了しました。

 
閉会あいさつ

連合兵庫女性委員会事務局長  安樂 雅枝(UAゼンセン兵庫県支部)

◆今回の研修会では、誰もが働きやすい職場にするために「人権」の側面から考えようということで、LGBT(性的マイノリティー)について、皆さんとともに学びました。
先生のお話にもありましたように、同性カップルについてのパートナシップ制度の導入や、大手ディカウント店舗が「ALL GENDER」と表記したトイレを設置したことが波紋を呼んだことなど、LGBTについて耳にする機会が増えてきています。

◆第1部では、清水先生から、絵本の紹介を含めて、ご自身が子どもの頃から悩み続けてこられた体験をお話しいただき、ご家族との葛藤の日々を経て、現在に至っていることに心を打たれたと同時に、揺るぎない「強さ」を感じることができ、私たちが元気をいただけたように思います。

◆私たちはこれまで、職場の中のセクハラ、パワハラなどのハラスメントについては、直面する機会もありましたが、LGBTについては当事者の方に接することが少なく、どう向き合っていけばいいのか分からないのが現状です。

◆思い返してみると、様々なハラスメントについても、はじめはまず言葉を知り、それから被害者の声や実態が明るみに出て、身近なものとして実感していくというものでした。平成9年に、セクハラに関する事項が改正男女雇用機会均等法に盛り込まれ、その後に、セクハラ防止の法令が整備されていますし、今年の1月には、セクハラ指針の改正によってLGBTがセクハラの対象になることがはじめて明示されました。

◆LGBTに関しては、いま、社会的に認知され始め、企業や職場などにも適切な対応が求めらています。関係法令が先行している中にあって、私たち労働組合の具体的な取り組み方針についてはまだまだ定まっていないことがグループ討議で明らかになりました。
労働組合としてLGBTを「人権問題」として捉え、少数者の問題にするのではなく、職場の理解を求める対話と努力ができる環境をつくっていくことが、誰もがあたりまえに働きやすい職場につながっていくと思います。
今後は、労使の共通認識として、就業規則や労働協約等の中に盛り込むことも検討していくべきでしょう。

◆本日の研修会で感じたこと、発見できたことを持ち帰っていただき、誰もが働きやすい職場にするために、また、自分らしい生き方ができ、自分らしく仕事ができる環境づくりへの歩みを止めることなく、それぞれの活動に役立てていただきたいと思います。