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  • 労働対策

連合兵庫2011春季生活闘争開始宣言集会

  • 場所:兵庫県私学会館
  • 時間:2011年2月28日

「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざして!


◆連合兵庫は2月18日(金)、兵庫県私学会館で『2011春季生活闘争開始宣言集会』をひらきました。集会には、構成組織・地域協議会から担当役員を中心に約170名が出席し、連合本部より講師を招き『連合白書』の説明、連合兵庫としての具体的な闘争方針・中小共闘センターの立ち上げ等について講演をいただきました。

◆また、集会では中小・地場産業の労働組合をかかえる組織を代表して、自動車総連兵庫地方協議会・兵庫フード連合・UIゼンセン兵庫県支部・全自交兵庫地方連合会・情報労連兵庫県協議会・自治労兵庫県本部の6構成組織から、今次春季生活闘争の具体的な取組み方針について報告をうけました。

[開会あいさつ]

◆集会は、森脇:連合兵庫副事務局長の司会ですすめ、つづいて連合兵庫中小労働対策委員会の委員長の垣内一雄:委員長(連合兵庫副会長・JAM)が「春季生活闘争を取り巻く情勢はきわめて厳しいが、企業業績は改善の兆しもあり、労働側にとって有利な条件でもあります。しかし経営側は賃金抑制姿勢をくずしておらず、情勢はまだまだ厳しい状況がつづいております。仲間の力を結集して、すべての労働者の雇用と生活の安定をめざしましょう。」と開会あいさつ挨拶を述べ、集会の幕を開けました。

森本洋平:連合兵庫会長・闘争本部長

 今年も春闘 の季節がやってまいりました。ある国技と云われるスポーツが「八百長問題」で世間を騒がせています。何とも不愉快な話ですが、私たちが取り組む春闘は常に真剣勝負で交渉してまいりました。2011春闘も八百長などと、絶対に言わせないように全力で戦い抜く事を申し上げておきます。
 さて、2011春闘ですが、昨年に引き続き賃金配分と社会性を追求した「すべての労働者の処遇改善を目指す」戦いとなります。 
 マクロの社会状況は、GDPは年率換算で4.5%増、企業の経常収支は海外子会社からの配当増があったとはいえ、2.9%増です。
 昨年春闘からは、条件は数段良くなっていると言えます。
 すでに、連合本部は政府とのトップ会談で、連合の政策課題として、予算要望、税制改正要望、税、社会保障改革、雇用・労働政策、について問題提起し、雇用戦略対話の開催を求めています。
 また、経済団体とのトップ懇談会も開催され、社会の安定・発展には雇用の安定が不可欠であるとして、経済成長と雇用問題等について、事務レベルでの協議が開催出来るように要請しております。 
 戦いの進め方についても、より共闘連絡会議の機能が発揮できるように、各共闘会議の書記長・事務局長会議の開催と、代表銘柄の精査などについて確認しております。合わせて、あらたに設置いたします「非正規共闘」の推進のための情報開示を進めるとしています。
 このような本部方針を受けて、連合兵庫としての取り組み日程等について、12月8日の三役・執行委員会で確認いたしました。
 例年どおり、中央での取り組みから、おおよそ1カ月遅れでの取り組みとなりますが、2月2日開催の執行委員会で「連合兵庫春季生活闘争方針」を決定し、本日の「春闘開始宣言集会」を皮切りに、3月5日の「春闘総決起集会」に向けて盛り上げてまいります。
 勿論、その間に「兵庫県労使懇談会」や「春闘労働相談全国一斉キャンペーン」も取り組みますし、4月に施行されます統一地方選挙勝利も、これらの延長線上として取り組んでまいります。
 如何にして、社会性を追求した取り組みに出来るか、この閉塞した社会状況の中で、その真価が問われることとなります。
 春季生活闘争の取り組みは、その時々の経済・雇用情勢やら社会状況に大きく影響されますが、どんなに厳しくとも要求出来ない理由を探すことが労働組合の役割ではありません。是非、構成組織の皆様方の積極的な取り組みをお願い申し上げておきたいと思います。
 小泉改革である、新自由主義経済運営の失敗で経済は壊され、加えて株主主権主義が台等し、合わせて世界的不況もあって、ここ数年は中々思うような結果を残せておりません。
 思い起こしてみてください、生産性3原則の基本である、成果の適正配分に、そもそも株主など入って無かったのです。企業と従業員と社会で分配されるはずだったのです、今こそ従業員主権の考え方を取り戻し、景気回復に寄与されなければなりません。
 少なくとも、団塊世代が引退又はリタイアし、第一線から退きつつあります。ご案内のように、賃金制度は高い給与所得の者が引退し新人が入社してきて、一年経過した時点で元に戻るのが理想です。
 しかし、高度成長期に団塊世代の大量入社があり、このサイクルが自然と総額人件費を押し上げ、歩留まり状況であったことも事実です。その団塊世代が引退しつつあるわけですから、総額人件費は確実に減少していると思います。その意味からも、今年の春闘は配分重視の取り組みを目指して戦わなくてはなりません。
 提起昇給分の確保と1%の賃金改善を目指すという、私に言わせればごくごく慎ましやかな要求であります。本日は大変御忙しい中、連合本部より「団野副事務局長」に御越しいただき、くわしい春闘方針を伺う事としております。
 その上で、連合兵庫は従来からの方針どおり、中小・地場共闘を中心に情報発信と底上げに取り組んでまいります。特に2011春闘は本部段階での「非正規共闘」の推進に合わせ、地域ユニオンの方々も含めた共闘を模索してまいりたいと考えております。
 今日御参集の皆様方には、是非2011春闘の先頭に立って引っ張っていただけるようお願いしておきます。勿論大手先行組合の戦いが中小・地場共闘の戦いに大きな影響を与えることは承知しておりますので、産別共闘についてもしっかりと取り組みます。

提案者=垣内一雄:副会長・中小労働対策委員長(JAM)

連合兵庫2011春季生活闘争「闘争開始宣言」

2011春季生活闘争は、2月10日の連合「闘争開始宣言」でスタートした。
 日本経済は、国内需要不足と円高等の影響の中で、先行きへの不透明感が強まっている。現金給与総額は、近年のピーク時から5%以上も減少している。非正規労働者は増加し、低所得者・貧困世帯の増加など格差拡大が懸念されて いる。
 現在のデフレは、賃金低下が価格に連鎖する新しいかたちのデフレである。にもかかわらず、経営側は、このデフレの本質を理解せず、人件費抑制の姿勢を崩そうとしていない。この状況が続けば日本経済は低成長とデフレの悪循環から抜け出せず、日本は崩壊の道を歩むことになりかねない。現在の日本の社会と労働の歪みを生み出し、格差を拡大させてきたコスト削減偏重の経営のあり方を何としても跳ね返さなければならない。
 いまの経済社会の歪みは、わが国経済社会の再生という切り口で捉えなければ解決できない。われわれの闘いの目標は、家計・企業のバランスの歪みの是正を図り、GDPの6割を占める家計の消費支出を増大させ、内需の縮小を食い止め、日本経済を健全な状態に回復させることである。日本経済・社会を積極的な姿勢に転換させ、働くモチベーションの向上と経営側に労働者への積極的な投資を行わせ、持続的な成長へとつながる好循環を構築していくことである。
 経済や産業の発展は人の幸せのためにある。今こそ「一部の貧困は全体の繁栄にとって危険である」としたILOフィラデルフィア宣言の原点に立ち返り、労働運動の本来的な存在意義を発揮することこそ、期待されている。
 2011春季生活闘争のスローガンに掲げた「すべての労働者の処遇改善で、分配の歪みと格差を是正し、デフレ脱却・経済の活性化を図ろう!」の実現に向け、連合に結集した共闘を軸にすべての組合がおかれた環境のもと、1%を目安に適正な配分を要求し、労働条件の復元・格差の是正を実現しよう。
 連合兵庫は、この集会を起点に、構成組織・地域協議会の総力を上げ、職場・地域から闘いを巻き起こし、未組織、非正規労働者を含む、すべての働く仲間たちに闘いの輪を広げ、「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざす。
 連合兵庫は、ここに2011春季生活闘争の開始を宣言する。

2011年2月18日
連合兵庫2011春季生活闘争開始宣言集会