第85回兵庫県メーデー神戸中央大会(式典内容掲載)
- 場所:神戸大倉山公園野球場
- 時間:2014年4月26日(土)
力合わせよう!心つなげよう!
~ 第85回兵庫県メーデー神戸中央大会に働く仲間が結集 ~
<全国統一メインスローガン>
『すべての働く仲間の連帯で暮らしの底上げをめざし、働くことを軸とする安心社会を実現しよう!』
◆4月26日(土)、神戸大倉山公園野球場で開催した第85回兵庫県メーデー神戸中央大会(実行委員会:連合兵庫・連合神戸・兵庫県労福協・神戸労福協)には、神戸地域の連合組合員を中心に約10,000人が結集。 発生より3年が経過した東日本大震災支援の継続、すべての働く者の賃上げと処遇改善・労働者保護ルールの改悪阻止など生活者の立場からの政策・制度の実現、そして自由で平和な世界をめざしてテロの撲滅や核兵器廃絶、人権問題の解決等を含むメーデー宣言を採択しました。
◆今年のメーデーは、昨年と同様に湊川公園から式典会場までの集結デモをおこない、メーデー式典につづいて、会場に隣接する「兵庫県解放運動無名戦士の碑」への献花式もおこないました。
◆また、メーデー会場では、メーデー運営委員(連合兵庫国民運動推進委員会委員・青年委員会・女性委員会)らが、東日本大震災の復興支援募金活動をおこない、被災者への連帯を呼びかけました。
【集結デモ】
◆初夏のような陽気の中、湊川公園に集合したメーデー参加者たちは、辻 実行委員長のあいさつを受けたのち、メーデー会場の大倉山公園野球場までの約1kmをデモ行進。
◆それぞれに、「労働者保護ルールの改悪阻止!労働法制の改悪反対」を掲げたプラカードをもち、通行人や住民にアピールしました。
◆第85回兵庫県メーデー神戸中央大会式典は、澤田:実行委員会事務局長が司会・進行をつとめ、『兵庫県メーデー神戸中央大会の開催日を8年ぶりに、ゴールデンウィークの初日に設定しました。より多くの方にご参加いただくとともに、すべての働く者の連帯で暮らしの底上げをめざし、「働くことを軸とする安心社会」を実現していきたい。それでは、ただいまより第85回兵庫県メーデー神戸中央大会を開会いたします』と力強く開会宣言しました。
【主催者あいさつ】
実行委員長 辻 芳治 皆さん、おはようございます。連合兵庫の辻でございます。 第85回兵庫県中央メーデーに、県下各地より参加を頂きました皆さんには、湊川公園からの集結デモでアピールを行ない、ここ大倉山での式典にご結集頂きました。大変ご苦労様でございます。 冒頭に、あの「東日本大震災」によって犠牲になられた方々のご冥福を改めてお祈りするとともに、この1年間に亡くなられた私たちの仲間の御霊に対して、心から哀悼の意を表し、黙祷を捧げたいと思います。全員、起立・脱帽のうえ、ご協力をお願い申し上げます。 ~黙祷~ 本日は、公務ご多忙の中、ご来賓として、井戸兵庫県知事、久元神戸市長、水岡民主党兵庫県連代表、梶川社民党兵庫県連代表、若山近畿労金兵庫地区統括本部長、酒井全労済兵庫県本部長、藤江兵庫高退連会長、坂本部落解放同盟兵庫県連委員長をはじめ、国会議員・前国会議員各位、各首長ならびに各級議会議員など、数多くの皆様にご臨席を賜りました。 さて、今年の「第85回兵庫県中央メーデー」は、ここ数年来「原点回帰」との理念のもと「5月1日」にこだわり開催して参りましたが、より参加しやすい日程を指向する立場から、GW初日となる本日4月26日の開催と致しました。まず、ご理解を賜り、例年以上の多くの皆様にご結集頂きましたことに、厚く御礼申し上げる次第でございます。 冒頭に黙祷を捧げて頂きましたが、東日本大震災から3年余りがたちました。今も、約26万人もの方が避難生活を強いられています。いまだに仮設住宅での生活を余儀なくされている人、故郷に帰る目途も立たない人、思う仕事に就けず生活基盤が揺らいでいる人、心のケアが必要な人、根強い風評被害に苦しむ人など、多くの方々が深刻な問題を抱えておられます。 連合は、こうした状況の早期解決に向け、ここ1年が正念場であるとの思いで、様々な被災地支援の継続に加え、「東北子ども応援わんぱくプロジェクト」という新たな取り組みを進めています。将来を担う子どもたちに楽しんでもらいたい。心の絆を実感してもらいたい。そして命を守ることの大切さを全国の仲間に伝えていくことが、この取り組みの目的です。 また、あの阪神淡路大震災から明年で20年を迎えます。兵庫県では、震災の経験と教訓を「伝える」「備える」「活かす」をテーマに、本年4月から1年間、震災20周年事業に取り組まれています。私たちも、この県民総ぐるみの取り組みに積極的に参画して参りたいと存じますし、連合兵庫独自の取り組みも企画実践してまいります。 次に、2014春闘でございます。 世の中の大きな注目が集まる春闘となりましたが、最大のヤマ場を越え、交渉の舞台は、中小・地場組合へと移っています。4月14日時点の集計では、賃上げ回答を引き出した組合は例年以上に増加しており、平均方式での回答水準(引上げ率)は「2%」を上回っています。これは1999年以来、実に15年ぶりの水準です。
次に、強い問題意識を持つ政治状況に触れたいと思います。安倍政権発足から1年余りが経過しました。アベノミクスと称する経済政策により、景気は緩やかに回復していると言われていますが、4月からの消費税増税を受けた景気等への影響が不透明ななかで、多くの働く者や生活者は、それを実感するまでには至っていません。 そんななか、国会では「一強多弱」という政治情勢を背景に、特定秘密保護法の強行採決をはじめ、集団的自衛権行使の問題や、「国防軍の保持」「教育改革」など、安倍政権の横暴ぶりは、極めて危うい状況となっています。 さらに、安倍首相は「わが国を世界で一番企業が活躍しやすい国にする」として、雇用・労働法制の改悪につながる新たな考え方を次々に打ち出してきています。生身の人間の営みである「労働」を、「モノ」や「カネ」と同列に置き、働く者にとって最低限度のルールまでも「岩盤規制」と非難して、使い勝手のいいルールに緩和しよとしているのです。 このように、デフレ脱却や成長戦略の名のもとで、働く者に犠牲を強いるとともに、働く者同士の「格差と分断」を助長するような政策が強行されることは断じて許されません。阻止に向けた世論へのアピールなど全国的な取り組みを今後とも強めていく必要があります。行動に対する積極的な参画を要請する次第です。 厳しいとき、難しいときは「原点に返れ」とよく言われます。今からちょうど70年前の1944年5月10日、国際労働機関(ILO)の大会で採択された「フィラデルフィア宣言」を、改めて皆さんと共有しておきたいと思います。 残念ながら、安倍政権は、この宣言の根本原則とは真逆の方向へと向かっていますし、労働者の代表が参加していない政府の会議体で、一方的に労働者に犠牲を強いるような政策を強行しようとしているのです。こんな理不尽な政策決定の動きには、声を大にして立ち向かわなくてはならないと言うことだと思います。 最後になりますが、今回のメーデーは、統一スローガン「力合わせよう!心つなげよう!」、サブスローガンには「すべての働く仲間の連帯で、暮らしの底上げをめざし、働くことを軸とする安心社会を実現しよう」を掲げて開催しています。 第85回メーデー万歳! |
【来賓あいさつ】
【来賓紹介】
◆梶川 美佐男:社会民主党兵庫県連合代表 ほか、国会・県会・市会・町会議員、行政関係者 多数 |
【メーデー宣言 植村武史:副実行委員長(神戸労福協 会長】
本日、私たちは第85回兵庫県メーデー神戸中央大会を開催した。 東日本大震災からすでに3年が経過したが、震災は多くの犠牲者を出したばかりか、今もなお多くの被災者が不自由な生活を強いられている。 私たちは、「人への投資」を経営に求める。そして、これに逆行する労働者保護ルールの改悪に反対し、働く人に十分に報いる社会を実現する。不安定雇用の増加など、雇用の劣化や職場の荒廃、格差の拡大に歯止めをかけ、「働くことを軸とする安心社会」の実現に全力を尽くそう。 世界各地で自由と平和を脅かす状況が続き、地域紛争やテロも後を絶たない。私たちは、いかなる国に対しても、これを許さず平和の構築に向けて、力を尽くし行動していく。また、日本の平和を脅かす反動的な動きにも反対して取り組んでいく。 さらに、核兵器の人道的影響は絶大で、核兵器は禁止されるべきである。核兵器の全廃をめざし、いかなる努力も惜しむことなく、核兵器のない世界を実現しよう。 連合結成25年目を迎えて開催する本メーデー神戸中央大会では、これら重要課題に対してすべての働く仲間が結集し、力を合わせ、心をつなげて、「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」をめざす。 2014年4月26日 第85回兵庫県メーデー神戸中央大会 |
【特別決議 丸山清人:副実行委員長(連合神戸 議長)】
わが国は、働く者のうち約9割が雇用関係の下で働く「雇用社会」である。この「雇用社会日本」の主人公である雇用労働者が、安定的な雇用と公正な処遇の下で安心して働くことができる環境を整備することが、デフレからの脱却、ひいては日本経済・社会の持続的な成長のために必要である。 また、国会では「“生涯ハケン”で“低賃金”」につながりかねない労働者派遣法の改悪審議もはじまろうとしている。 我々は、労働者保護ルールの後退を招く規制緩和に反対し、ワーク・ライフ・バランスの推進、ディーセント・ワーク実現など、働く者の環境改善をめざしていく。 引き続き、労働者保護ルール改悪阻止にむけて、組織の総力を挙げて「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」キャンペーンを県内各地で展開することを決議する。 2014年4月26日 第85回兵庫県メーデー神戸中央大会 |
【ガンバロー三唱】
◆辻:実行委員長のリードで、すべての働く仲間による連帯で、力あわせ、心あわせてともに立ち上がる決意を誓い、参加者全員でガンバローを三唱し、第85回兵庫県メーデー神戸中央大会の幕を閉じました。
【無名戦士の碑 献花式】
◆メーデー式典終了後、会場に隣接する「兵庫県解放運動無名戦士の碑」への献花式を執り行いました。
献花式には、メーデー実行委員会役員をはじめ、県下労働運動のOB多数が臨席し、先達の功績をしのびながら白菊をささげました。
◆献花式は冒頭、澤田:メーデー実行委員会事務局長が「無名戦士の碑」に関する説明を述べ、つづいて辻 芳治:メーデー実行委員長、北条勝利:無名戦士の碑運営委員会代表委員があいさつを述べ、各関係団体代表が代表献花をおこなったあと、連合兵庫役員、県下労働組合役員およびOBなどが先輩たちの偉業をしのびつつ、献花しました。
ごあいさつ 本日、私たちは、兵庫県下の多くの働く仲間が結集し、「力合わせよう、心つなげよう!」の合言葉のもと、兵庫におけるメーデー発祥の地・ここ大倉山で「第85回兵庫県メーデー神戸中央大会」を成功裡に開催致しました。 今日、平和裏に「働く者の祭典」が開催できますのも、ここに合祀される813柱という多くの諸先輩方が、永年にわたり労働者解放の運動に尽くされてきた賜物と、改めて心からの感謝と敬意を表する次第でございます。 さて、一昨年の総選挙により発足した安倍政権は、この1年余りの間、国会での圧倒的多数を占める数の力を背景に、特定秘密保護法の強行採決をはじめ、その横暴ぶりは、極めて危うい状況となっています。 また、あの阪神・淡路大震災から20年を迎えようとしています。兵庫県が「伝える」「備える」「活かす」をテーマに進められている、県民総ぐるみの「震災20周年事業」への積極的な参画とあわせ、3年がたった東日本大震災の被災地支援の取り組みも、今なお必死に被災地で踏ん張っている方々に思いを寄せ、決して風化をさせないよう継承しなくてはなりません。 以上、第85回兵庫県メーデー神戸中央大会成功のご報告と、私たち働く者の闘う決意を表明し、メーデー献花式にあたっての挨拶と致します。
ごあいさつ まず、「無名戦士の碑」に祀(まつ)られています「先輩・同志の皆様」に、本日第85回兵庫県中央メーデーが、盛大に執り行われたことを、ご報告をさせて戴きます。 戦前の、労働運動の発祥の地であります、この神戸において、毎年兵庫県メーデーが開催されますことは、これまで労働運動に多大な貢献をされてきました、先輩・同志の皆様のお蔭と、感謝を申し上げます。 戦後、営々と築きあげられてきた労働運動を継承し、その時々の困難・危機を乗り越え、現在に至っています。 さらに、職場における労働条件改善はもとより、労働者生活の安全・安心に向けた活動においても、その任務を果たすべく、日々奮闘しているところです。 阪神・淡路大震災から20年を迎えようとする時期、震災を知らない世代が、労働運動の一翼を担う時代へと、すぐそこまで来ています。 私たちは、この世代に労働運動の重要性をしっかり、引き継いでいく義務が有ります。 |