会長コラム『波動』

第196通常国会閉会にあたって

会長コラム波動より

これほど国民を馬鹿にした国会はあったでしょうか!

~ 第196通常国会閉会にあたって ~

「働き方改革国会」と首相が命名した第196通常国会は、約1ヶ月の会期延長を経て7月22日閉会しました。(連合事務局長談話参照)

 この国会で、連合が最も重視した「働き方改革関連法案」は、法案提出以前から国会論戦が始まりましたが、厚生労働省の不適切な調査データが明らかとなり、首相等の答弁撤回などにより、連合が反対してきた「裁量労働制対象業務拡大」の部分は法案から全面削除されることになりました。
 しかしながら、極めて残念なことに、過労死や過重労働を助長しかねない「高度プロフェショナル制度」は法案から削除されることなく、GW明けからの衆議院そして参議院の委員会等審議を経て、6月29日に可決・成立し、わが国に初めて労働時間規制を除外する労働者を認めると言う、とんでもない「新制度」が創設されることになってしまいました。本法案成立に関する連合見解と今後の対応等詳細については、別添「連合事務局長談話」を参照頂きたいと思います。

 さて、国権の最高機関であるはずの国会は、本来「反対」の根強い対立法案であればあるほど、審議を尽くし不安を取り除くための修正を重ねて、合意形成をはかっていくのが議会政治のあるべき姿のはずです。
 しかし、議論がかみ合わなくても一定の審議時間が確保されれば、疑問が解明されなくても「数の力」で採決が強行され、日本維新の党等の一部野党を巧みに取り込んで可決・成立させるという、これまで幾度となく見てきた光景が今国会でも繰り返されました。
 これほど国民を馬鹿にした国会はあったでしょうか。民意を置き去りにした、長期一強政治の弊害が極まった通常国会であったと断言できるでしょう。憲政史上最大の汚点だと言いたいです。

 その象徴的な事態が、わが国の民主主義が根底から崩されたと言うべき、「森友・加計」学園問題をめぐる疑惑や相次ぐ不祥事の発覚です。官僚が公文書を隠し、国会で虚偽答弁を繰り返し、あろうことか公文書の改ざんと言う犯罪にまで手を染めていたことが明らかになりました。これまでに前例のないような極めて特異な事態であり、強い危機感を抱かざるを得ません。
 安倍首相の「膿を出し切る」との威勢のいい言葉とは裏腹に、質問や追及にも正面から答えず、ごまかすような答弁の連続。結果、疑惑の核心は曖昧にされたままで、政治家は誰も責任を取らずに幕引きをはかろうとする。安倍政権の本質が暴露されたと言わねばなりません。これらは長期政権の「ゆるみ」「おごり」「傲慢さ」以外の何物でもないでしょう。
 このことにより、国民の政治不信を一層増長させてしまった罪は極めて大きいと言えます。引き続き、国民への説明責任を果たすよう求めていかなくてはなりません。

 国会が事実上閉会となった先週末(7/21ー22)に共同通信社が行った世論調査によりますと、働き方改革関連法案の成立に対しては「評価する:27.8%」「評価しない:60.9%」。カジノ法案に対しては「賛成:27.6%」「反対:64.8%」。参院定数6増の改正公選法に対しては「問題だ:55.6%」「問題ではない:27.6%」との結果が報道されていました。
 ことごとく国民の民意とは真逆の結論を、それも強引に押し通したとの指摘はまぬがれません。つまり、国民の多くは、政府がごり押しした法案や政策に賛成していないと言うことであり、内閣不支持の最大理由である「首相が信頼できない」に象徴されるように、「森友・加計」学園問題に対する首相や関係者の説明にも、納得はしていないと言うことの証だと思います。

 一方で、昨年の総選挙以降、離合集散の動きにあった野党の今国会対応については、一強政治への対峙という難しい現実を前に、疑惑や不祥事続きの政権を決定的に追い込むには限界が明らかとなり、残念と言わざるを得ません。
 野党とりわけ立憲民主党、国民民主党に申し上げたいことは、こんなとんでもない「安倍政権」を長期にわたり許してしまっている責任の一端は、旧民主党(民進党)を中心とした野党にもあることを、改めて強く自覚してもらいたいと言うことです。多くの国民が抱く、政治に対するやり場のない怒りと失望感を真正面から受け止め、「もう一度政権を託そう」と思ってもらえるビジョンと行動で、国民からの信頼を取り戻してほしい。そのことに尽きます。
 そのためにも、今秋の臨時国会に向け、その対策に万全を期すと同時に、一刻も早く一強政治に終止符を打つべく、明年の統一地方選挙、参議院選挙に向け、『与党や与党勢力に漁夫の利を与えない、「力合わせ」が最大限追求できる「基盤づくり」に奔走してほしい』。そんな祈るような想いを込めて、両党の一層の連携と奮闘に期待したいと思います。                                                       (2018.7.25記)

連合事務局長談話(国会閉会時)クリック

連合事務局長談話(働き方改革関連法案の可決・成立時)クリック